驚くのが、このスパチャ機能による収益である。人気のYouTuberに莫大な広告収入がもたらされていることは今や誰しも知る事実だが、スパチャ収益もものすごい。
特徴はYouTuberの中でスパチャ収益が特に多いのはVTuber、さらに世界ランキングの上位10人中、8人までが日本語話者のVTuberであるという状況だ。
VTuberとは「バーチャルYouTuber」のことで、アバターのキャラクターに声をかぶせて動かす配信者を意味する。一般的にもっとも有名なVTuberは2016年から活動している「キズナアイ」だろう。
2021年にスパチャがもっとも多かったVtuberの総額は、なんと1億9449万462円。日本語話者VTuberの上位6人までが1億円を超える。なんとも夢のある世界だ。
しかしこの、スパチャ総額1位だったVTuberが、先日所属事務所から契約解除されてしまった。契約解除の理由は、情報漏洩や虚偽申告などの信用失墜行為と発表されている。
ここで記されている「情報漏洩」とは、このVTuberが告発系YouTuberに情報提供を行ったことだと推測されている。
ことの発端は、このVTuberが人気シンガーソングライターの男性と同棲がうわさされたことで、男性のファンから誹謗(ひぼう)中傷を受けたという。それを、告発系YouTuberの男性に連絡し、その内容を告発系YouTuberの男性が放送していた。
熱い注目を集める告発系YouTuber
ここで「告発系YouTuber」という言葉が出てきて、さらに混乱された方もいるかもしれない。「告発系YouTuber」は「暴露系YouTuber」とも言われる。
ネット上のうわさやタレコミの情報を配信で明らかにするスタイルで、週刊文春のようなスタイルだと信頼を集めている人気配信者もいる。
最近では、芸能人のアテンドなどを長年行ってきた男性が詐欺行為を指摘されたことをきっかけに、なりふり構わずに芸能人の素行などについて暴露配信を始め、瞬く間にYou Tubeチャンネル登録者数が60万人を超える勢いだ。当然賛否両論があるものの、注目を集めていることは間違いない。
情報過多の時代の中で、こんなことまでカバーしなくてもよいと思う方もおられるだろうが、とはいえ、これらも時代を示す指標・事柄の一つ。人々の興味・関心が向かう方向としてこれからもチェックしたい。