越境EC(通販サイトを通じた国際的な電子商取引)の進展などモノの流れが大きく変わりつつある世界の物流。佐川急便は圧倒的な国内ネットワークを武器に、国際物流でも事業拡大を続ける。中でも「国内+海外」のワンストップサービスが大きな利便性をもたらす。

佐川急便 東京本社
事業開発部
中谷幸二事業開発部担当部長

 佐川急便の国際物流事業が急成長している。以前からSGホールディングスグループとして海外展開に積極的に取り組んできたが、近年、越境ECなど個人レベルでの取引が拡大してきたことに伴い、国際物流における同社の存在感がにわかに高まってきた。

 新規事業開発を担当する同社事業開発部の中谷幸二・事業開発部担当部長は「越境ECの台頭によって国際物流でも小口荷物が急増しており、もともと宅配便や小口荷物を得意としている当社の強みが発揮しやすい事業環境に変化してきました」と成長の理由を説明する。

 実際、同社の国際物流関連の売上高は順調に拡大している。

 こうしたビジネス環境の変化を受けて、グループ内でも日本国内における国際物流についての体制を変更。国内物流と同様、佐川急便が前面に立って営業や顧客対応していく形に見直した。

佐川急便は国際物流事業を拡大する

日本企業の海外EC展開をフルサポート

 成長をけん引する越境EC関連では、海外サイトから商品を購入する輸入通販の取り扱いが好調な一方、今後は日本企業が海外でEC事業を展開する「輸出通販」の拡大が期待される。だが、海外での事業化には決済や販路などの面で不安を持つ顧客も少なくない。そこで同社は、物流サービスに加え、決済や販路開拓支援までをトータルでサポートするパッケージサービスに力を入れている。中でも台湾向けの通販では、現地の大手ECモール「PC homeグループ傘下の比比昴」に日本商品を手軽に購入できるサービスを展開し、現地でも評判を呼んでいる。

「国内の既存サイトの仕様を変える必要がなく、日本国内と同じような手軽さでEC事業を始めることができます」

 今後はアジア各国・地域でも同様のサービスを展開し、「海外でのEC事業のハードルを低くしていくお手伝いをしていきたい」と語る。