とはいえ、もちろんお金も時間も、無限にあるわけではありませんよね。特に中小企業・個人事業主は、大手企業と同じことをしていると、採算が合いません。同じコストをかけても、事業規模が違う、すなわちリターンの大きさが違うからです。

 ですので、同じお金や時間をかけるにも「より大きくなって返ってくるところに、しっかりかける」という投資判断が必要になります。それにあたり、依頼主側としてまず知っておきたいのは、制作会社にとっては「手間=時間=人件費」だということ。

 サイト制作会社の「手間」は、たとえば飲食店でいえば「材料費」と同じ。制作側にも生活があり、社員やその家族を守らないとなりませんので、制作費が安ければ安いほど、そのサイトには手をかけられなくなってしまいます。高いものがすべてよいとは限りませんが、あまり安いものには理由があります。

 ここはぜひ、支出金額そのものにこだわって少しでも安いところを選んだり、値切ったりするよりも、制作側にしっかり手をかけていただいて、投資したぶんのリターンを最大にする=コンバージョン率を最大化することにフォーカスするのがおすすめです。

 また、制作会社には「(1)サイトの主な目的は、コンバージョン獲得(集客)」「(2)サイトの内容次第で、コンバージョン率に倍以上の差が出る」この2点を、ぜひあわせて伝えてください。

 デザイン・制作業務には、パンフレットやポスター、書籍などの紙媒体、(集客ではなく)情報発信が目的のメディアサイトなど、いろいろなものがあります。

 また、大手企業と中小企業では、知名度や販路、出稿している広告などの前提が大きく違うので、評価指標も変わります。

 ですので、前述のふたつの前提から、共有の必要があるのです。