「作って終わり」ではない
実情に合わせた規約改正が必須

 前述のように、大半のマンションの管理規約は、国交省のマンション標準管理規約をベースに、それぞれのマンションに合わせてカスタマイズされた形で作られている。

 しかし、管理規約や使用細則は「一度作ったら終わり」というものではない。社会情勢の変化やマンションの高経年化、区分所有者や居住者の高齢化など、マンションの実情が変わるに従って、管理運営や生活ルールなどに求められるものも変わってくるため、その変化に応じて、管理規約も改正する必要がある。

 例えば、この数年だけを見ても、新型コロナの影響で、理事会や総会を開くこともままならず、それでも開催の必要に迫られる状況に対応するために、多くのマンションで規約の改正が求められている。

 ところが、時々、新築時から管理規約に全く手を加えていないというマンションに出くわすことがある。新築時に作成された管理規約を「原始規約」というが、マンションの実情が変化しているにもかかわらず、原始規約のままになっているため、規約の内容に不備や不正が生じてしまい、その是正に悩まされているというマンションも少なくない。

 ベースとなっている国交省のマンション標準管理規約自体も、時代の変化に合わせて定期的に改正されている。例に挙げたように、コロナ禍における理事会や総会をオンラインで実施する管理組合も増えていることを考慮し、オンラインで実施する場合の方法や手続きに関する内容が加えられている。

 マンション標準管理規約は国交省のサイトで確認できるので、ぜひ皆さんのマンションの管理規約と見比べてみて、最新のマンション標準管理規約の内容と大きく乖離(かいり)しているような場合は、規約改正の検討を行うほうがいいだろう。