3位と5位はコロナ禍で苦戦の
ロイヤルホテルとハワイアンズ運営会社

 2位は宮城県富谷市に本社を置く飲食事業者のカルラで、平均年収は323.0万円(同262人、43.5歳)だった。前年(20年2月期)の平均年収377.1万円(同282人、44.8歳)から大幅ダウンした。

 同社は東北地方や北関東エリアで「和風レストランまるまつ」などの飲食チェーンを展開するが、コロナ禍の影響で客足が遠のき、業績が低迷。19年2月期以降、直近の22年2月期まで、4期連続の最終赤字が続いている。

 3位は大阪市北区に本社を置くロイヤルホテルで、平均年収は325.6万円(同1222人、40.9歳)である。

 コロナ前の20年3月期の平均年収は388.0万円(同1228人、41.2歳)だったが、今回は約60万円のダウンとなった。

 高級ホテルチェーンとして知られる「リーガロイヤルホテル」を運営する同社だが、コロナ禍の影響により、21年3月期は営業赤字が約98億円、最終赤字が約93億円と苦戦している。

 4位はカジュアル衣料販売のシーズメン(東京都中央区)で、平均年収は329.5万円。「METHOD」「流儀圧搾」などのブランドを展開する同社は、近年は実店舗とインターネット通販の両方に力を入れているものの、業績は伸び悩んでいる。

 14年2月期~21年2月期にかけては、実に8期連続で最終赤字に沈み、22年2月期にようやく最終黒字への転換を果たしたところだ。

 5位は、福島県いわき市に本社を置く常磐興産。平均年収は332.4万円だった。市内で映画「フラガール」の舞台になった温浴施設「スパリゾートハワイアンズ」を運営しているが、例に漏れずコロナ禍の影響で苦戦中だ。

 21年3月期は約29億円の最終赤字となり、3期連続の最終赤字となった。21年秋には満46歳以上の社員を対象に希望退職者を募集し、業績の立て直しを図っている最中だ。

 同社が経営不振に陥った要因などについては『倒産危険度ランキング2021【北海道・東北地方】2位はハワイアンズ運営会社、1位は?』でも解説している。

 なお今回、年収が400万円未満の企業は31社だった。最後にこの31社について、都道府県別の分布と業種別の傾向を確認しておきたい。

 都道府県別で最多だったのは、東京都だ。31社のうち、東京に本社を構える企業は10社あった。以下、大阪府が4社、愛知県が3社、福岡県・福島県・宮城県が2社と続いた。

 残りの内訳は、山口県、京都府、鳥取県、埼玉県、石川県、広島県、青森県、新潟県が1社ずつとなった。

 業種別では、最多だったのは「小売業」で9社、次いで多かったのは「サービス」で7社だった。

 他の業種を確認すると、「繊維製品」が3社、「その他製品」が2社、「卸売業」「輸送用機器」「水産・農林」「鉄鋼」「化学」「電気機器」「金属製品」「陸運」「ガラス・土石製品」「食料品」がいずれも1社という結果だった。

 次ページ以降では、6位~500位の企業を一挙に公開している。ぜひ、併せてチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)