質問の意味を理解できているか

石田 小問(1)では、1回スイッチを押したときにすべての色が現れるような「規則」が何通りあるか、が聞かれています。このようなときに、そもそも「規則の数」が聞かれていることを読み取れなかったりする子は多いので、そういう点を知っている先生方はこのような設問をしているのでしょう。

 また、この問いの状況を「それってどういうこと?」と問い直して言い換えることができることも必要です。この「言い換え」をする力は数学で非常に重要です。それは本質をつかみ出す能力だからです。「4色がすべて現れればよいのだから、4つの色の並べ方を数えればよい」と言い換えることができれば、4×3×2×1で求められると気づきます。計算は1行ですね。数え上げてもたいしたことはありません。

――確かに計算力ではないですね(笑)。

石田 小問(2)では、2回スイッチを押した時、元の並びに戻るような規則の作り方が聞かれています。こういう時には、自分の手元で具体例を書いてみることが大切です。「赤、青、黄、緑」と書くのが大変な時は、順に「1、2、3、4」という数に対応させてしまうことができると作業は楽になります(これも問題の言い換え)。

 1234→1243→1234のような例がすぐに作れるでしょう。これは「1→1、2→2、3→4、4→3」という規則ですね。ここから「2つの色は変えず、残りの2つを交換する」というルールが当てはまることが導けます。するとその数は、固定する2つの数の選び方(=入れ替える2つの数は自動的に決まる)を数えればよくなります。

 そして、さらに「1→2、2→1、3→4、4→3」のように2つずつ入れ替えるケースもあることを忘れなければ、正解にたどり着けます。いわゆる「順列」の計算の仕方を知っていた方が効率はいいですが、数え上げてもそれほど手間はかかりません。

――その場で問題に向き合って考え抜く姿勢が求められているように思えます。

石田 そうですね。最後の小問(3)は、3回続けて押した時に初めてすべてが赤になる規則についての問いです。これは(1)(2)よりも手間がかかりますが、実は右側の図が、この3回目が初めてすべて同じ色(この場合は青)になるケースになっています。ここを「読み取れる」かが大きなポイントでした。

――問題の中に書かれている図が実はヒントだった。これは経験しないとなかなか気がつかないかもしれません。

石田 与えられたものをしっかり受け止め、手を動かして試すことをいとわない。そういうことができる子を求めているのだと思います。さらに、この具体例を観察して(結果の観察)、「1回ごとに赤が1つ増えればよい」という本質を取り出す(抽象化・体系化)ができると、例えば「赤→赤、青→赤、黄→青、緑→黄」(先の数字での置き換えで言えば「1→1、2→1、3→2、4→3」。これで1=赤が1つずつ増えていく)のようなルールが、問われている条件を満たすことが分かるはずです。このような場合の数を求めて答えを出すことができます。

――確かに、事前に知識や手法を得ておくことより、「その場で読み取って考える」ことが求められていますね。