カンボジア 2013年1月11日

正月よりも大事!?  カンボジアの若者は超肉食系
「バレンタインデーはホテルに行く日」!?

”草食系”と無縁、カンボジアの若者

 2010年に発表された公衆衛生の専門家による調査では、プノンペンの15歳から24歳までの若者458人のうち、約6割がバレンタインデーを「特別な日だと思う」とし、99.5%が「友達や恋人とどこかへ出かける」と、答えた。同様に、約6割が「何らかの贈り物をする」。贈り物は、花が最も多く(約56%)、服(25%)、ぬいぐるみなどおもちゃ(23%)、装飾品(15%)などとなっている。

 また、恋人のいる人のうち約14%が「バレンタインデーにセックスをするだろう」とし、そのうち約4割が「この日が初めてになる」と答えた。恋人のいる男性に「もし彼女がいやだと言ったらどうするか」と尋ねたところ「あきらめる(32%)」と同様に多かったのが「断ったら愛のない証拠だ、とプレッシャーをかける(32%)」だった。

 「カラオケやクラブに行ってムードを盛り上げる」「夜遅くまで一緒にいて粘る」との答えもあった。同じ専門家による聞き取り調査(2009年に発表)では、男性が、その日の朝に彼女に花を贈るところから、綿密な行動計画を立てて口説き落とす様子も語られていて、草食系とは無縁のカンボジア若者事情が垣間見えて興味深い。

 ちなみに、バレンタインデーの起源を尋ねたところ、約6割が「西欧」と答えた一方、「香港(約6%)」「韓国(約2%)」「タイ(約1%)」との答えもあった。こちらも、カンボジアの若者の情報源を伺い知るうえで興味深いデータだ。

 一方、バレンタインデーといえば性行為にばかり関心が向いてしまう現象に、フン・セン政権は、まゆをひそめ、ついに対策に乗り出した。それが性犯罪や、若い女性を傷つける行為につながってしまうケースもあるからだ。

 カンボジア政府は、昨年1月末からバレンタインデーにかけて、教育省、女性省など複数の省庁が連携し、性行為に関する道徳的内容の映像をテレビで流したり、若者が利用しやすいゲストハウスに注意を呼びかけたり、学校には「この日を試験日にするように」と呼びかけたりした。地元紙の報道によれば、バラを売る店を取り締まるよう政府に依頼した学校もあったという。

 フン・セン首相自身、バレンタインデー当日の演説でこんなことを言った。「きょうはバレンタインデーです。でも、ホテルに行く日ではありません。われわれの文化にはそういう慣習はありません。愛は365日、いつでも伝え合うべきもの。そして愛の対象は、彼氏や彼女だけではないのです」

 バレンタインデーは、家族や友人に愛情を伝える日に、と呼びかけるフン・セン首相。性犯罪は言語道断だが、街中がピンクに染まるこの盛り上がり、「義理チョコの日」になってしまった日本のバレンタインデーより、どこか人間的に感じられる。

バレンタインデーにどこへ行きますか、という問いでは上位に入る「ソリヤ・ショッピングセンター」。ショッピングのほか、映画や食事も楽しめる。ただ、より大型の映画館や遊園地もできて、人気デートスポットの地位を譲りつつある【撮影/木村文】

(文・撮影/木村文)

筆者紹介:木村文(きむら・あや)
1966年生まれ。国際基督教大学卒業後朝日新聞入社。山口支局、アジア総局員、マニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住、現地発行のフリーペーパー「ニョニュム」編集長に(2012年4月に交代)。現在はフリー。

 


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