梅雨が明ければ、すぐに夏がやってくる。夏は気温が高く汗をよくかくため、「痩せやすい」と思いがちだが、実は、夏こそ「太りやすい季節」でもある。運動不足や偏った食生活によって基礎代謝が低下しやすく、気をつけないとすぐに「夏太り」してしまうからだ。
そこで参考になるのが、「糖質制限のカリスマ医師」とも呼ばれる江部康二氏の著書『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』だ。
本書は、江部氏が提唱する、糖質制限と1日2食を組み合わせた「食べトレ」の方法を解説し、「医学的に正しい」体重の落とし方を明かした1冊。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、糖質制限中に避けるべき「要注意な飲み物」をご紹介する。(構成/根本隼)

監修 江部診療所院長 医師 江部康二
【糖質制限のプロが教える】「果物・野菜100%ジュースは危険な飲み物」と断言する理由Photo:Adobe Stock

水分に溶けた糖質は血糖値を急上昇させやすい

 今回は、糖質をたくさん含む「飲み物」についてです。飲み物に含まれる糖質は水分に溶け込んでいるため、体内に吸収されやすく、血糖値をガツンと上げやすいので、特に注意が必要です。

 コーラなどの炭酸飲料やジュースなどの甘い清涼飲料水は、平均10%の濃度で「砂糖」や「果糖」といった糖質を含んでいます。500mlサイズのペットボトル1本には糖質50gくらいが溶けている計算ですが、これは角砂糖10個以上に相当します。

 ヘルシーなイメージが強いスポーツ飲料も、糖質をたくさん含んでいます。喉ごしのいい清涼飲料水と同様、一気にごくごく飲んでしまうので超危険です。

果糖はとくに要注意

 ヘルシーなイメージといえば、「果汁100%ジュース」「果汁ミックスの野菜ジュース」はもちろん、「野菜100%ジュース」にも糖質は多く含まれていますから、避けたほうがいいです。

 果糖は、ブドウ糖の数十倍も糖化しやすく、AGEs(終末糖化産物)という老化物質も作りやすいので、果物はとくに要注意です。

 牛乳、豆乳にも糖質は含まれています。おしゃれなイメージのカフェラテ、ソイラテを毎日のように飲んでいると、糖質過多につながってしまいます。

 また、「低脂肪牛乳」よりも「普通の牛乳」、「調整豆乳」よりも「無調整豆乳」のほうが糖質は少ないのでおすすめです。

糖質が多い「NGなお酒」とは?

 では、何を飲めばいいのかというと、「ミネラルウォーター」「番茶」「麦茶」「ほうじ茶」など糖質を含まない飲み物、コーヒーや紅茶は砂糖なしのブラック、ストレートで飲みましょう。

 お酒は飲んでもいいです。体質的に飲めて好きな人は、愉しんでください。しかし、OKのお酒とNGのお酒があります。

 NGなのはビール、日本酒などの醸造酒です。アルコール以外に糖質を多く含んでいます。ビール中ジョッキには「糖質15g」以上、日本酒1合には「糖質8g」程度入っています。俗に“ビール腹”と呼ばれる内臓脂肪型肥満の大きな原因は、ビールに含まれる糖質のとりすぎにあります。

 しかし、醸造酒でも「辛口ワイン」は例外です。赤も白もグラス1杯に「糖質1g」足らずですから、食事とともに1、2杯飲むくらいなら問題ありません。

糖質摂取のリスクが低いお酒とは?

 OKなのは焼酎、ウイスキー、ジン、ラム、ウォッカといった蒸留酒です。これらは糖質ゼロです(ジンとラムだけは100ml「糖質0.1g」を含みますが、微量なので飲みすぎなければ大丈夫です)。

 逆に、蒸留酒であっても、糖質が多い果汁やトニックウォーターなどで割ってしまうのはNGです。蒸留酒を割るなら糖質を含まない炭酸水、ミネラルウォーターがおすすめです。

(本稿は、『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』より一部を抜粋・編集したものです)