さて、茶葉の中にあるこの茶カテキンの種類についても、ここで少し紹介しておきたいと思います。茶カテキンには、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類があります。

 茶カテキンの中でも緑茶は、エピガロカテキンガレートが全体の約50%を占めています。またその効果にも特徴があり、コレステロール、体脂肪、中性脂肪などを低下させるほか、血糖値の上昇抑制作用やインフルエンザに対する抗ウイルス作用などの働きも発表されています。

 多くの機能性を持つカテキンですが、すでに米国では、エピガロカテキンガレートを使用したサプリメントも販売されているほどで、日常的に摂取している人も多いようです。

 さて、ここまでお話ししてくると、「紅茶や烏龍茶など、他にもお茶はあるのに、なぜ緑茶だけこんなに多くのことがわかっているの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。それには理由があります。

 緑茶は前記に挙げたカテキンを一つ一つ成分として取り出し、詳しく調べることができます。一方、紅茶や烏龍茶は製造工程で醗酵させるため、その製造段階でカテキンとカテキンが結合したような、非常に複雑な構造に変化しています。そのため、複雑化した成分のひとつを取り出して調べる、というのがなかなか難しいのです。

 結果的に、紅茶や烏龍茶は機能性を証明しにくいというわけです。研究そのものの難しさから、紅茶や烏龍茶は緑茶ほど研究がされていません。これらのことから、緑茶の研究は世界規模で進んでいます。その大きな理由は、こうした研究のしやすさもひとつとして考えて良いでしょう。