例えば8月に受けた模擬試験の記憶を、翌年1月の入試本番まで鮮明にしておくことはできません。ノートに記録しておくのはそのためですが、それを試験当日の朝にあらためて見ることで気分も引き締まりますし、試験中に問題を読む集中力も高くなります。

 また、ミスには二種類あるということも、受験生によく話します。

 ひとつは先ほども出てきた単純なミス。

 合格者だけでなく受験生の大多数が正解している問題をミスしてしまいます。

 本番の入試でこのようなミスをゼロにすることは本当に大事なことです。

 一方で、問題作成者が受験生に罠を仕掛けた問題に、スッポリはまってしまうようなミスがあります。

 このようなミスは合格者も含めて受験生の多くが引っかかってしまったミスなので、ミスパターンノートでは特に目立つ色で印をつけて、テスト当日には引っかからないように確認しておくことが重要になります。

 入試が終わり、新小6生を前にしたイベントで、合格者たちが披露したミスパターンノートは、どれもボロボロでした。

 擦り切れてボロボロになるまで眺めたミスパターンノートこそ「財産だ」と彼らは言います。今日のミスは未来の合格を招くのです。

処理スピードの遅さは知恵でカバーできる

 何につけてもスピードの速い子どもと遅い子どもがいます。

 食べるのが速い、足が速い、手を動かすのが速い、頭の回転が速い、話すのが速い……と、何が速いのかはさまざまですが、入試に直結する算数の問題を解くスピードや、文章を読むスピードにも「速い・遅い」があります。