ほとんどの大人も、そんなに意思は強くない

 大人だって、そうでしょう。「ダイエットするといいよ」と言われたときは、「たしかにそうだな。ちょっとダイエットした方がいいな」と思い、甘いものを控え、駅などのエスカレーターは使わず階段を使うようにし始めても、そのうち「今日くらいはいいか」と甘いものを食べたり、エスカレーターを使ったりしてしまう。その頻度がしだいに増えていき、そのうちダイエットのことなど忘れてしまう。思い当たる人もいるのではないでしょうか。

 ダイエットに本気で根気強く取り組むには、ダイエットをするとこんな素晴らしいことがある、今真剣にダイエットをしないとこんなリスクがある、といったことを実感する必要があります。「こうするといい」と頭では分かっても、心から納得していなければ、本気で取り組むところまでいきません。

 そこで大切なのは、読書がどのようにためになるのかを分かりやすく説明することです。そうした説明なしに、いくら促しても、本を読むようになるとは思えません。まずは親自身が、本を読むことの効用をきちんと理解しておくことが求められます。そうでないと、何を言っても説得力がありません。

子どもに「読書は役に立つ」と言うほど、子どもは本を読まなくなる

 いくら本を買い与えても、読むように言い含めても、一向に読む気配のないわが子に根負けして、「まあ、いいか」と諦めてしまう人も少なくないようですが、それは後々、致命的な結果をもたらす危険性もあります。できることなら、幼いうちから本を読むことを習慣づけておきたいものです。そのためにはどうしたらよいのでしょうか。