例年以上に
韓国の熱気を感じた今年のカンヌ

カンヌ国際映画祭の記者会見場の様子カンヌ国際映画祭の記者会見場の様子

 今年のカンヌ国際映画祭は、いつも以上に韓国側の熱を感じました。是枝監督も「(韓国人記者向けの)囲みをやったら40人くらい記者がいて、ここはどこなんだろうと錯覚しました。パク・チャヌクの作品(『別れる決心』)もありますし、(2020年にカンヌに出品された)『パラサイト』の時の倍は記者が来ているらしいです。相当色々な意味で力が入っているんだなと感じました」と囲み取材で私たちに対して述べたように、カンヌの町中でも韓国の映画関係者やメディアと思われる人を多く見ました。

記者会見場への入場を待つ長い列記者会見場への入場を待つ長い列

 公式上映の翌日昼に、映画祭会場内で行われた是枝監督はじめ出演者が勢揃いした記者会見でも、韓国側の期待度を物語る様子が見て取れました。会見の様子を見ようと「カンヌの3日間」パスで入場したファンが、記者会見場に入るための長い行列を会見場前で作っていたのです。カンヌ国際映画祭といえば、以前は映画関係者とメディアに限られたイベントでしたが、2018年から映画祭は「カンヌの3日間」というパスを18歳から28歳の若者向けに一定数発行し、次世代の映画ファンへ映画に触れやすい環境を作っています。

 まずカメラや記者が会見場へ入った後に、最後に「カンヌの3日間」パスの人々が入場。会場の準備が整ったところで是枝監督を先頭に出演者が登壇。会見場内は熱気に包まれました。