長男が私立に進んだ場合は
塾通いも含めて計2000万円の支出

 長男の進学プランの記載がないので、中学校からはトレンドになりつつある私立に進む形で試算します。現在の学費の相場から計算すると、中学430万円、高校300万円、大学450万円の合計1180万円以上が必要になるはずです。

 これに加えて、中学から私立に進学するケースでは、小学校のうちから受験対策の塾に通うのが一般的です(3年程度は見ておく必要があるといわれます)。その後も、中高にわたって大学受験対策の予備校に通う可能性もあるでしょう。

 塾の費用が年間100万円前後とすると、小学校の後半3年間と中高6年間で900万円ほどかかります。ここでは、前述の学費と塾の費用を合計して、教育費をトータル2000万円としておきます。

 これまで貯めてきた金融資産4795万円から、教育費の2000万円を差し引くと2795万円が残ります。Uさんがこの時点で定年退職する場合、退職金2500万円を加えた5295万円が60歳時点の金融資産です。

 その後、 Uさんが再雇用として働く60~65歳の手取り収入を年間350万円とします。

 一方の支出については、長男が浪人や大学院進学をした場合は話が違ってきますが、便宜上、教育費の支払いは終了しているものとします。

 ただ、Uさん夫婦は旅行などの趣味を継続しているでしょう。そのため、60~65歳の支出額は冒頭で示した月間40万9000円(年間490万8000円)から変わらないとして試算を続けます。

 年間収入350万円、年間支出490万8000円なので、年間赤字額は140万8000円です。65歳までの5年間では計704万円となり、この金額を60歳時点の金融資産から取り崩した残りは4591万円(5295万円-704万円)です。

 これが再雇用契約が切れ、仕事を引退した65歳時点のUさんの全資産です。

 年金額などについて詳しく書かれていないため、65歳以降の試算は推測を交えながら進めます。