『半沢直樹』と『花咲舞が黙っていない』が原作とタイトルが違うわけ

 ちなみに『半沢直樹』と『花咲舞が黙ってない』は、どちらも池井戸潤さんの小説が原作です。ただし、どちらも原作とTVドラマではタイトルが違っています。

『半沢直樹』は、メガバンク・東京中央銀行を舞台に、主人公半沢直樹(堺雅人)が不正を描く内容で、2013年と2020年にそれぞれ連続TVドラマとして放送されました。

 2013年版の原作は『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』、続編の2020年版は『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』です。TVドラマのタイトルは「タイトルに統一感を持たせたい」のと「主人公の生き様に焦点を当てる」という思いから、『半沢直樹』になったといいます。

『花咲舞が黙ってない』は、メガバンク・東京第一銀行の臨店班、花咲舞(杏)と相馬健(上川隆也)のコンビが、銀行内のさまざまなトラブルを解決していくというTVドラマ。

 2014年と2015年にそれぞれ連続ドラマとして放送されました。

 原作は花咲舞が登場する『不祥事』です。それ以外にも、『銀行総務特命』『銀行仕置人』などの短編(花咲舞が登場しない)の内容もアレンジしてTVドラマに使われています。

 こちらも言いたいことをズバズバ言うキャラクターを際立たせるために、TVドラマでは『花咲舞が黙ってない』というタイトルになりました。

 TVドラマのタイトルは、小説や漫画を原作にすることが多く、そのままのタイトルが使われる場合が多いので、この2つは例外といえるかもしれません。ただ、主人公の個性が強い場合や名前にインパクトがある場合は、「お名前+α」型タイトルにした方が、引きになる可能性が高まります。どららも大ヒットTVドラマ(特に『半沢直樹』は社会現象になるくらい)になったのですから、このタイトルづけは大成功だったといえるでしょう。