ラオス 2013年1月15日

復活を遂げるラオス映画
海外留学組により、政府検閲の限界に挑戦した作品も!

ラオス映画支えるのは、留学から帰国した若手クリエーターの熱意

 これらの作品を制作したのが海外留学クリエイターらにより結成された「ラオ・ニューウェーブ・シネマ」というグループだ。彼らは、資金、人材、政府とのやりとり、様々な問題を解決しながら映像制作を行なってきた。

若手クリーエーター集団「ラオ・ニューウェーブ・シネマ」。ラオスのトップクラスに位置する映像制作集団だ【提供/『テイスト・オブ・ラオス』】

 資金は、映画1本の制作に大体1万5000~2万米ドルがかかるという。市場の小さいラオスでは(ラオス全国で人口650万人、首都で70万人、現在の映画館は全国で3カ所のみ)、スポンサー集めは困難を極める。そのため、メンバーが自腹を切って制作にあたる。

 制作期間は約1年。皆、別の仕事で生活費を稼ぎながらやっている。また人材も不足している。給料が出ない完全なボランティアなので、本当にヤル気がないと出来ない。

 最後に政府検閲。撮影前の段階から台本は全て検閲される。そして撮影に対する許可が下り、編集が終わると、また検閲が行なわれる。その修正やりとりに2~3カ月を要することもあるという。そうして、ようやく上映にこぎつける。

 経済発展という言葉が話に出る以前の時代、収入が、いつ、いくらあるか読めないから、趣味にお金をかけるということは考えられなかった。今では、身近なところでは、街の人々はほとんどスマホを手にしている。毎晩のように外食に出かける人もいる。そして一眼レフカメラなどお金のかかる趣味を持つ人も増えた。私の目には、そんな経済発展の勢いの象徴として、この映画産業の発展が映った。映画を見てもらうには、箱(映画館)と、資金、時間、情熱、市場、全て小さな規模では成り立たない。コピー製品がはびこるラオスでは、DVD販売は難しいだろう。

 ラオスの人々は、この経済発展の勢いを確信し始めた。2013年は、そんな現象が加速するだろう。

ルアンパバーンフィルムフェスティバルのポスター。このような国際映画祭が年に1回は行なわれるようになってきた。ラオスで制作された作品は海外(特にアジア)の映画祭にも出品されている【提供/『テイスト・オブ・ラオス』】

(文・森卓/写真提供・『テイスト・オブ・ラオス』)

筆者紹介:森卓(もり・たく)
1977年大阪生まれ、富山育ち。日本では元調理師。約8カ月のバックパッカー旅行の後、2002年よりラオス在住。旅行会社を経てコーディネーターに。04年、ラオス初の日本語情報誌『テイスト・オブ・ラオス』を立ち上げる。雑誌(婦人画報社、講談社他)、写真集(毎日新聞他)、テレビ(NHK BS1、毎日放送他)等コーディネート実績多数。

 


幸福の「資本」論|橘玲著 幸福の「資本」論 重版出来!
橘玲著

あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」。あなたが目指すべき人生は?
定価:1,500円(+税) 発行:ダイヤモンド社
購入はコチラ!
世の中の仕組みと人生のデザイン|橘玲のメルマガ配信中! 20日間無料 ザイでしか読めない!橘玲のメルマガ「世の中の仕組みと人生のデザイン」も好評配信中!
月額864円(税込)
いますぐ試す(20日間無料)

バックナンバー

»関連記事一覧を見る

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
発売即重版決定! 橘玲の最新刊【幸福の「資本」論】発売!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。