間違ってるよ!
  ↓
○○君の仕事の速さは
素晴らしいよ。
でも、間違ってるよ

 テキパキと仕事をこなす部下は見ていて気持ちがよく、上司としては頼もしい存在ですよね。ですが人間です。誰だってミスをすることはあります。

 部下を注意するときの大原則は次の通りです。「ほめるときは全員の前、注意するときは一対一」「まず評価してから、改善してほしい所を指摘する」

 某商社で20代の男性が遭遇した、この原則と真逆のケースを紹介しましょう。ある日、男性は皆がいる前で上司に大きな声で注意されました。「間違ってるよ!」新卒で入社して、2ヵ月経ったころのはじめてのミスでした。彼は傷つきました。なぜならいきなり頭から否定されたからです。これが恐怖心となり、加えて皆の前で注意されたことも重なり、その後はすっかり気力も集中力もなくなってしまったといいます。

 部下のマネジメントは子育てに似ています。もしこの上司が原則を身につけていて、皆の前ではなく一対一の場に移動し、彼の仕事の速さを認めてからミスを指摘していたら、結果は大きく違っていたと思います。

 その後、新卒の彼は商社を退社して、新しい会社で現在も活躍をしています。新しい会社の上司は、まずいい所をほめてから、注意をしてくれるそうです。頭から注意をした元上司が、将来有望な部下を失ったことは言うまでもありません。