日本企業に迫る「中ロによる輸出規制」リスク、原材料調達で深刻な影響も写真はイメージです Photo:PIXTA

安全保障重視か経済重視かで
異なる日本の外交路線の評価

 バイデン大統領は先月のG7で、先進7カ国が連携して途上国等に対するインフラ支援を強化する新たな枠組み「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の創設を発表した。バイデン大統領には質の高いインフラ支援を途上国へ実施し、途上国の対中依存を低下させる狙いがあるとみられる。

 また、習近平国家主席とプーチン大統領も先月電話会談し、長期的に協力していく姿勢を確認し合い、習氏は欧米による対ロ制裁に反対する意思を示し、プーチン大統領も台湾問題などで中国への内政干渉に反対する意思を示した。

 長年続く米中による戦略的競争、そして2月以降のロシアによるウクライナ侵攻により、大国間対立はさらに激しくなっている。新型コロナウイルスの発生源を巡る真相解明、新疆ウイグルの人権問題などを巡り、欧州の中国への警戒感も強まり、ウクライナ侵攻によって欧州はロシアを現実的脅威として受け止めるようになった。

 そして、日本の岸田政権は欧米との結束を強め、中国やロシアに対抗していく姿勢を鮮明にしている。6月下旬、岸田首相がG7サミットだけでなくNATO首脳会合に参加し、インド太平洋とNATOの接近、結束を試みたが、それによって大国間競争の中での日本の立ち位置はより複雑さを増している。

 日本が人権や法の支配を順守する民主国家で、また日本を取り巻く安全保障環境を考慮すれば、筆者は安全保障研究者として、岸田首相の行動を支持する。