昔の温泉旅館の冷蔵庫だと、飲み物が300円で入っていて、抜いたら戻らなくてお金だけ取られるんですよ。そういう「恐怖の冷蔵庫」は、そもそもおかしいよねと。冷蔵庫は自由に使ってもらうべきだと考えました。
さらに、午後3時にチェックインする人もいれば夜中0時にチェックインする人もいる。その9時間、誰もいないのに、冷蔵庫の電源が入れっぱなしだったら電気代もかかるし、環境にもよくない。あと、冷蔵庫って機械音がうるさいですよね。安眠の邪魔をする。だから電源スイッチを切ることにしたんです。
私たちは、統計学と心理学に基づいて進化するホテルです。ツインルームかダブルルームで2名利用の場合は、白いタオルに金と銀の刺しゅうを施してお客さまが見分けられるようにもしました。他にも枕元集中コントローラーを設けたり、最近だとテレビのリモコンにカバーをかけたりとか、細かいことの積み重ねですけど、どうしたら限られた環境の中でお客さま満足度を上げられるか、他社よりも突き詰めて考え実行してきました。
――この先、これ以上新しく挑戦できることはあるのでしょうか。