いくらでもありますよ。例えば建築基準法改正とか、容積率緩和とか法律が変わると、ホテルの設計やデザイン、環境対応もアップデートを迫られる。当たり前だったことが、時代が変われば、どんどん変わっていく。昔の常識は今の常識ではないので。

 IT化にしても、競合他社よりも早く全客室でWi-Fi環境を整えました。シングルルームでも50インチの大型テレビを入れて、200チャンネル無料にしました。大浴場付きホテルでは、人流センサーを大浴場につけて混雑具合が一目で分かるようになっています。

 人口減によって労働力も変わるでしょうから、いかに最小限のスタッフで満足度の高い宿泊を提供できるか。予約受け付け・チェックイン・チェックアウトの三大業務でどうやったら無駄を省けるか、日々研究しています。

アパホテル専務が語る「父母の帝王学」、世代交代で何を残し何を変える?エクスプレスチェックアウトBOX

 ホテルの予約は、スマートフォンが主流になりました。事前クレジットカード決済で専用アプリから予約すると、1秒でチェックインできます。専用チェックアウトポストにルームカードキーを入れるだけで、1秒でチェックアウトもできます。

 予約もワンステップで、飛行機の座席指定のように、自分の好きな部屋を選べます。エレベーターから遠い方がいいとか、角部屋がいいとかね。

 10年前は、チェックアウトポストはありましたけど、センサーが入ってなかった。今はセンサーを入れて、どの部屋がチェックアウトしたかすぐに分かるようになったので、清掃スタッフが素早く入室して掃除できるんです。そういうところも進化であり、アパホテルのDX化は、常に先読みしながら、エンドレスで変わっていく。

――そういうアイデアを募る社内公募とか、何か仕組みがあるんですか。