日本の投資家に鳴らす円安「3段階の警鐘」、2022年後半の難局相場への臨み方Photo:PIXTA

米株式や商品などリスク資産市場は、インフレ高進と金利上昇加速で景気後退かという臆測に揺らいだ。相場が下げ止まると、最悪を織り込み済みという声もチラホラ。しかしインフレや金利の「変化」が鈍る公算の今年後半には、それらの「水準」が苦境の深さとその後の復調を探る要となろう。この正念場に、日本投資家にとって死活的に重要な円安の取り扱いについて、3段階の警鐘を鳴らしたい(田中泰輔リサーチ代表 楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー 田中泰輔)

相場の落ち込みの深刻度と
復調のサイクルに注目

 2022年後半は、米国そして世界の経済、市場が難局のヤマ場を迎えると警戒している。今年前半が既に難局で正念場だったという声もあるだろう。確かに、米国では、株式相場のみならず、債券相場も急落し、投資家は踏んだり蹴ったりだった。

 しかし、年初からの苦境の半分は、想定された循環現象だった。起こるべくして起こった相場調整の具合をチェックする場面だったといえる。これに対して、今年後半は、2023年にかけて、さらなる落ち込みの深刻度と、その後の復調サイクルを占う場面になると位置付けている。

 年後半の相場に対して、どのようなスタンスで臨むべきか。円安の捉え方を中心に3段階の警鐘を日本の投資家に鳴らしたいと考えている。次ページ以降その具体的内容を解説していく。