ベトナム 2013年1月18日

インフラが弱いベトナム
停電による私の個人的経済損失は、ざっと100万円

長丁場の停電時には、ノートパソコンを抱えて安ホテルへ駆け込む

 ベトナムでは停電が多いという話は聞いていたので、私は当地で仕事をすることになったとき、すべての仕事をノートパソコンだけでできるようにした。そうすれば、例え停電であっても、どこか電気の通じている、そしてネットに接続できるカフェに行って作業を続けることができるからだ。

 当然、バックアップには気を遣っており、ほぼ同じスペックのノートパソコンを常に2台用意し、まったく同じ環境で仕事ができるようにしている。データももちろん、ほぼ毎日シンクロさせる。そうすれば、どちらか一方のパソコンが事故で使えなくなっても業務に支障が出ない。パソコンを買うときは、当然、バッテリーが長持ちするかどうか、が重要な選択ポイントになる。

 会社のデスクにもデスクトップパソコンは置いていない。ノートパソコンは経費で買えないので自腹だが、それでも背に腹は替えられない。この10年間で、いったい何台のノートパソコンを使いつぶしたことだろう。

 普段は無線ランでネットにつなげているが、停電となるとモデムも動かない。そういう場合に備えて3Gでネットに接続できるUSBモデムも購入した。これなら電話が通じる限り、ネットに接続できるからだ。

 ベトナムでの停電は、あらかじめ予定されている「計画停電」と、突発的に起こる「事故停電」とがある。計画停電は、事前に新聞などでも知らされ、復旧する時刻も決まっている。事故停電の場合は、いつ復旧するかは調べてみないと分からない。

 短時間で復旧することが分かっている場合は、電気が通じているエリアにあるカフェで作業をするが、電気が終日戻らないと思われる場合、私は安ホテルをデイユースで借りて仕事をすることもある。そのために普段から、「仕事がしやすい事務机がある」「部屋からインターネットが安定してつながる」、そして「安い」という3つの条件を満たしたホテルを、いくつか目星をつけてある。

 停電から電力が復旧するときにも注意が必要。過電流といって一時的に過剰な電気が流れることがあるからだ。一度、電気が復旧したときに、ある社員の使っていたデスクトップのディスプレイから、「ボン!」という爆発音がして、もうもうと白煙が立ち上った。原因は過電流。もちろん、そのディスプレイはご臨終となった。

 1区、3区といった市内の中心部は比較的停電が少ないが、私が住んでいる下町の路地裏だとその頻度は高くなる。多いときだと週に3日停電、ということもあった。ある日のこと。自宅に戻ると義理の母が焦燥した表情で、「今日は朝8時から夕方6時まで停電でね、さっき電気が戻ったところよ」と教えてくれた。前日に「仕事から帰ったときの自分へのご褒美に」と買ってあったアイスキャンディーはすべてドロドロの色水に変わってしまい、食べることができなかった。それからアイスは、そのときに食べる分しか買わないようにした。

ホーチミンのDIY市場とも呼ばれる「ヤンシン市場」。小型の発電機、過電流を防ぐためのスタビライザーなどが手に入る【撮影/中安昭人】

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