唯一の格付けCで
1位となった海水浴場は

 上位の顔触れを眺めると、愛知県の海水浴場が多数ランクインしている。

 ワースト3の4カ所のうちの3カ所が愛知県であり、ワースト10においても15カ所のうち、愛知県が8カ所を占めている。

 トップは愛知県常滑市のりんくう海浜緑地。中部国際空港「セントレア」の対岸に造られた人工海浜である。人工海浜の長さは630メートルで、東海地区では最大級を誇る。ビーチからは飛行機が間近に見え、伊勢湾を照らす夕日を売りにしている。だが、CODは5.9mg/リットルで、唯一の水質Cとなった。

 2位となったのは愛知県知多市の新舞子マリンパーク ブルーサンビーチでCODは4.8mg/リットル。1997年にオープンした長さ400メートルの人工海浜で、2基の巨大な風力発電の風車がビーチのシンボルのように立つ。

 以下、愛知県のビーチを順に見ていこう。

 3位は西尾市の寺部で4.7mg/リットル、5位は蒲郡市の西浦温泉で4.5mg/リットル、10位は同じく蒲郡市の三河大島東浜、常滑市の坂井、美浜町の若松と奥田で3.8mg/リットルとなった。

 ところで、愛知県はなぜ水質の悪い海水浴場が多いのか。愛知県は人口が全国で4位である。自動車産業の一大集積地で、有力なメーカーが多いのも特徴だ。人が住み生産活動を行えば生活排水や工場排水が発生するため、汚れた水が海流で入れ替わらなければ、蓄積してしまうのである。

 専門家は「愛知県で水質の悪い海水浴場は、いずれも三河湾や伊勢湾の奥まった場所にある。この地域の海は昔からCODが高止まりする傾向がある」と指摘する。