1991年からの30年間で38勝!
昨夏ついにベスト10入りした高校は?

 第10位には2校が並んでいる。1校は大阪桐蔭高(38勝6敗)だ。意外と順位が低いと思う人がいるかもしれないが、大阪桐蔭高が初めて甲子園に出場したのは1991年の春。当時はまだ創立して間もないころで、この年の夏に初出場で初優勝を達成した。以来30年間で38勝をあげ、昨夏の甲子園では1回戦で東海大菅生高を下してついにベスト10入りした。

 100年に及ぶ夏の甲子園の歴史で、最近の30年間だけでベスト10に入っているというのはすごいことだ。しかも38勝に対して負けはわずかに6、勝率は.641と極めて高い。

 夏の甲子園で大阪桐蔭高に土をつけたのは、駒大苫小牧高、早実、常葉菊川高、明徳義塾高、仙台育英高、近江高の6校のみ。いずれも全国的に知られた強豪で、格下の学校には全く負けていない。今年の選抜も圧勝で制しており、どこまで順位を上げるかに注目だ。

 もう1校は古豪高知商(38勝23敗)。昭和後半に活躍したあと2006年を最後に甲子園から遠ざかっていたが、2018年に12年ぶりに甲子園に復活して2勝をあげ、なんとかベストテンを維持している。

 実は古豪とはいいながら、戦前は1回も甲子園に出場したことがない。戦後すぐから昭和後半にかけての名門で、引退した藤川球児など、昭和末から平成初めにかけては公立高校ながら次々と好投手を擁して活躍した。

県岐阜商、早稲田実、広島商
常連名門校がしのぎを削る

 第9位は県岐阜商(39勝28敗)。戦前に優勝4回(春3回、夏1回)、準優勝2回(春1回、夏1回)している名門校だ。昭和の終わりから平成初めにかけて低迷した時期もあったが、2009年夏には45年ぶりに準決勝に進出して強豪校として復活した。2018年に名将・鍛治舎巧監督を迎えており、ベスト10内に踏みとどまれるかどうか必見だ。

 県岐阜商の上には3校が43勝で並んでいる。1校目が智弁和歌山高(43勝22敗)。昨夏には優勝して5勝を積み上げ6位まで上がってきた。1990年代には圧倒的な成績を残したのち、21世紀になってからは今一つの成績で初戦で敗れることも多かったが、昨年夏に優勝して復活した。

 2校目は早稲田実(43勝28敗1分)。1915年の第1回大会に出場した名門で、県岐阜商同様に昭和末から平成初めにかけては低迷したものの、戦前戦後を通じて強豪の地位を保ち続けている。「1分」とあるのは、2006年の決勝戦での駒大苫小牧高との延長15回1-1で引き分けの試合。

 そしてもう1校が広島商(43勝16敗)。こちらも1916年の第2回大会に出場した名門校で、戦前だけで優勝5回(春2回、夏3回)を数え、戦後もしばらくは全国屈指の強豪として活躍していた。同校はバントを多用して確実に1点を取り、投手を中心として守り抜く野球を身上としていた。そのため、池田高やPL学園高に代表されるパワー野球が広がるにつれて出場回数が減少。平成以降夏の出場は2004年、2019年の2回しかなく、いずれも初戦で敗退している。