透明度「1m未満」は16カ所
北海道がワースト3を独占

 続いて、今回のランキングで二つ目の基準となる「透明度」について見ていこう。透明度については、直径30cmの白い円盤を海中に沈めていき、見えなくなる距離を測定する。

「透明度」のランキングでは、透明度1m未満だった海水浴場16カ所を対象とし、透明度(m)が低い順に並べた。

*環境省のデータを基にダイヤモンド編集部作成。「透明度」が低い海水浴場ランキングの対象は、透明度1m未満。順位は透明度(m)が低い順。水質格付けの判定基準は4つあり、水の汚れを示す化学的酸素要求量(COD)、ふん便性大腸菌群数、透明度、油膜の有無で、適(AA、A)、可(B、C)、不適の5種類で格付けられている。ランキング中の透明度は複数回測定の平均値

 1位となったのは北海道羽幌町のはぼろサンセットビーチで、透明度は0.5m。リゾート気分を演出するためヤシの木の形をした照明を設置しており、きれいな夕日が眺められるのを売りにしているビーチだ。

 2位は同率の0.6mで、望来浜中央と遠別町富士見だった。これら2カ所も1位のはぼろサンセットビーチと同じく、北海道の海水浴場だ。透明度のランキングでは、北海道がワースト3を独占する結果となった。

 北海道の担当者は、これらの海水浴場で透明度が低かった要因について、「いずれも風と波が強い日に計測したので、砂が巻き上げられてしまったことが、透明度が低く出た要因ではないか。また、望来浜中央と遠別町富士見に関しては河口付近に位置しており、計測した5月の時期には雪解け水が川から流れ込んだ影響もあると考えられる」とコメントした。

 今回の2つのランキングで紹介した海水浴場は全て、環境省の基準で水浴利用に問題ない水準を満たしている。一方で、「ふん便性大腸菌群数」や「透明度」といった水質を判定する項目に着目すると、細かな差が見えてくる。

 コロナ禍3年目を迎えた今年は、昨年より多くの海水浴場がオープンする予定だ。海上保安庁によると、6月30日時点で全国の海水浴場の約8割が開設予定だという。

 一方で、新型コロナウイルス「第7波」の状況も深刻だ。7月23日には、国内の新規感染者数が初めて20万人を超え、過去最多を更新した。

 感染拡大に歯止めがかからない中、開設された海水浴場に行く場合でも、密を避けるなど対策を徹底することが必要になる。加えて、猛暑の中での熱中症にも十分に注意してほしい。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

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