対象者の23%(74人)が、12週間以上持続する症状を1つ以上発症しており、COVID-19の後遺症を発症しているとみなされた。後遺症の症状として最も多かったのは頭痛(22%)で、鼻水や鼻詰まり(19%)、腹部不快感(18%)、倦怠感(17%)、下痢(13%)がそれに続いた。後遺症発症のオッズ比は、肥満の人で5.44(95%信頼区間2.12~13.96)、罹患中に脱毛を経験した人で6.94(同1.03~46.92)、頭痛を経験した人で3.37(1.18~9.60)、喉の痛みを経験した人で3.56(同1.21~10.46)であった。これに対して、年齢、性別、人種/民族、教育歴、喫煙状況、慢性疾患の併存と後遺症発症リスクとの間には関連は認められなかった。

 Crimmins氏は、「多少、興味深かったのは、後遺症との間に関連が認められなかった因子だ。性別や人種/民族、あるいは高血圧や心疾患、がんなどの併存疾患は、後遺症発症の予測因子ではなかった」と話す。また同氏は、「相当数の人が、後遺症の症状のせいで、仕事や家族の世話など日々やらなければならない仕事に支障を来している可能性がある。このことから言えるのは、後遺症は弊害をもたらす疾患だということだ」と強調する。

 米National Foundation for Infectious Diseases(全米感染症財団)のWilliam Schaffner氏は、「肥満と脱毛は、COVID-19罹患中に生じる炎症の強度に関係している可能性が高い。炎症は、体の臓器に大きなダメージをもたらし得る」と説明する。そして、「肥満の人では、炎症が長期間続く可能性がある。それが原因で後遺症の症状が生じるのかもしれない。脱毛に関しては、私は初耳だったが、これも炎症に関わる症状の一つであることに間違いないだろう」との見方を示す。

 Schaffner氏はさらに、この研究ではブレインフォグ(脳の霧)や関節痛など、COVID-19後遺症患者から頻繁に報告されていた症状は認められなかったことを指摘。「今回の研究結果には、既存の報告内容を支持するものもあれば、それらとほとんど関連しないものもあった」と話す。それでも同氏は、「この研究により、COVID-19の後遺症に関する文献に、注目に値する新たな文献が加わった」と評価し、「今回の結果は、後遺症の症状のケアにあたる多くのCOVID-19後遺症センターにとって有用な情報となるはずだ」と述べている。(HealthDay News 2022年7月19日)

https://consumer.healthday.com/7-19-who-ll-get-long-covid-just-a-look-at-patient-gives-clues-2657678477.html

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