そもそも政府がキャッシュレス決済を増やしたい理由とは

 経済産業省は2025年までにキャッシュレスの決済比率を約4割にするとの目標を立てている。とどのつまり、キャッシュレスの方がお金を使いやすいと考えているからだ。手元に現金がなくても買うことができ、銀行口座にある残高以上の買い物も可能だ。また、スマホ決済なら購買データを集めて、よりその人のライフスタイルに合うクーポンを届け、消費の後押しもできる。

 お金を払ったという感覚を薄めれば薄めるほど、人は気楽に買い物をしてしまう。ネットショッピングサイトに支払い手段を登録しておけばスムーズに買い物できるし、携帯料金との合算払いならもっと簡単だ。

 その半面、利用明細はわざわざネットにログインしなければ見ることがない。使った意識、払った実感がどんどん薄まるのがキャッシュレス決済なのだ。

 言うまでもないが、収入より支出が少ない人はお金が貯まりやすく、支出が多くなればなるほどお金は残らず貯まらない。キャッシュレスを多用してポイント還元を受けたり、クーポンで安く購入しているのに、なぜか貯まらないというなら、そもそも必要以上に買い物している可能性大だ。改めて利用履歴やカード明細をじっくり見てほしい。