下北沢は、新旧カルチャーを折衷した街へと進化した

 ただ下北沢も、あくまで「再開発」であることには変わりない。下北沢駅周辺にかつて存在した戦後闇市の名残や、歴史あるライブハウス・飲食店は、再開発に伴い消えていった。再開発前の独特な空気感は薄まり、今の下北沢を「サブカルの街」と呼ぶことに違和感や物足りなさを覚えたり、寂しさを感じたりする人も多いだろう(http://g.kyoto-art.ac.jp/reports/3858/)。

架線地下化前の下北沢の風景2013年3月撮影。架線地下化前の下北沢の風景 Photo:Odakyu Electric Railway
下北沢「サブカルの街大改造」が成功した理由、渋谷の再開発になかったのは?旧小田急線下北沢駅の景色 Photo:Odakyu Electric Railway

 街は変わっていく。人と人の関係性が流動的に移りゆくように。文化から垣根や年代差といった障壁が取り払われ、すべてが溶け合う時代を生きる上で、街の変遷を意識しながら歩いてみるのも、新しい発見があって良いのではないだろうか。