長男や本家の人ならば、法事や結婚式などにきょうだいを呼ぶときは、交通費を出してあげて、帰りにはお土産をつけることが大切です。そんなにお金を使うのかと思うかもしれませんが、将来のいざこざが防げると思えば安いものです。出すべきところは出さなくてはいけません。

 もちろん、本家だからといって偉そうにしてはいけません。あくまでも、自分たちは先祖代々の土地を預かっている管理人だという態度で、遠方からきたきょうだいやその家族を感謝の気持ちで迎えるのです。

 分家の人たちも、本家とのコミュニケーションを大切にしたいものです。電話で話すのもよいのですが、やはり形あるものを贈るというのが一番です。

 出張先や旅先で見つけた名産品を贈るのもおすすめです。それだけ、普段から相手を気にかけているという表明になるからです。受け取ったほうも悪い気はしません。値段は高いものでなくてよいのです。2000円や3000円程度のもので十分で、その代わり回数を多く贈るのが大切です。高いのをたまに贈るよりも、安くてもいいから繰り返し贈るのがコツです。

 ここまでで紹介してきたように、さまざまな相続を見てきた私たちの結論を言わせていただければ、もめる原因は単にお金だけではありません。むしろ、お金が2割で、残りの8割は気持ちの問題であるように感じられます。