ブランド総合研究所の田中章雄社長は、こう指摘する。

「県民による魅力度評価では沖縄県が断トツである。同県は消費者による『地域ブランド調査2021』の都道府県魅力度ランキングは54.4点で3位だったため、県民による評価(73.4点)の方がかなり高いということになる。一方で、北海道は消費者による魅力度は73.4点であるため、道民(66.3点)より一般消費者の方が評価が高いということになる。ちなみに、消費者の結果の方が高いのは47都道府県中で北海道と京都だけだった。

 また、4位熊本県(58.0点。『地域ブランド調査2021』では26.4点で18位)、5位に静岡県(56.9点。同じく29.4点で15位)、8位に石川県(54.9点。同じく32.5点で10位)が上位にランクインしているのは特徴的だ。いずれも日本の歴史上重要な位置づけにある県として、県民が誇りを持っているからではないだろうか」

47都道府県の6割以上は
「魅力的である」と評価している

 一方下位に目を移すと、地域ブランド調査の魅力度では最下位だった茨城県は45位(34.8点)、最下位は徳島県であった(27.6点)。

 ただし、47都道府県の平均では28.7%が「とても魅力的」、36.4%が「やや魅力的」と回答するなど、両者の合計ではおよそ3人に2人が「魅力的」と回答した。

 田中社長は、「下位の県は、奥ゆかしい人たちが多いイメージが強い。『俺が、私が……』と前に出ない県民性がうかがえるだろう。決して魅力がないのではなく、自分たちの良さを人にあまり伝えようとしない慎み深さを感じられる」と述べる。

 奥ゆかしさが故に、自分たちの県の魅力が他県の人になかなか伝わらないというもどかしさがあるのではないか。

「住民による魅力度」がどのように変化していくのか、今後も注目していく。

(フリーライター 西嶋治美)