「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
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日本人の副業の平均月収はいくら?<br />賢い会社員の家計を潤す方法Photo: Adobe Stock

賢い会社員は「副業ごっこ」で稼いでいる

 日本人の副業の平均月収は約7万円(*1)なので、1年換算では約84万円になります。「副業を許されている会社員が羨ましい!」と思われるかもしれませんが、このレベルであれば、副業を禁止されている会社員でも大丈夫です。なぜなら、副収入が300万円以下であれば、副業未満の「副業ごっこ」にすぎないからです。副業でないのですから、会社に迷惑をかけない限り、副業禁止の就業規則に違反することにはなりません。

 副収入の平均値が約84万円ということは、副業していた人の大多数は、「副業ごっこ」をしていたことになります。賢い会社員はこのように、副業未満の「副業ごっこ」で稼ぐことにより、副業禁止の就業規則違反を回避していたのかもしれません。

「副業ごっこ」なのですから、後ろめたく感じる必要はありません。波風を立てる必要はありませんが、会社に気兼ねする必要もないのです。

 従来も、大家業については、戸建て5棟以上・アパートやマンション10室以上、もしくは年収500万円以上の規模でなければ、副業に対して一番厳しい公務員であっても営利目的の自営(副業)とはみなされませんでした(人事院規則14-8)。専門用語で「5棟10室基準」というのですが、この規模以上でなければ「事業的規模」とはいえないからです。事業的規模とは、「生計を立てられる規模」のことです。

 そして、2022年8月に開示された国税庁の所得税基本通達案が、事業所得では「300万円」がこれに準じた基準であることを、示唆してくれました(https://wp.me/a6gSf3-1Wl)。

「副業ごっこ」で家計が潤う

「副業ごっこ」だからといって、侮ってはいけません。なぜなら自営型の「副業ごっこ」は、節税にうってつけだからです。

 節税のカギを握るのが「経費」です。物販ビジネスにしても、情報ビジネスにしても、スマホやパソコン、ネット環境が不可欠です。そこで、今まで家計で負担していたこれらの支出を「経費」扱いにして節税してみてはいかがでしょうか。

 今まで趣味でやっていたことも、「副業ごっこ」に昇格させた瞬間に、出費が経費化されるので、思う存分楽しめます。

 このように、もともと家計から支払っていた支出であっても、「副業ごっこ」と重なる領域については、経費化することができるのです。

「副業ごっこ」で得た収入は、それにかかった経費と相殺されるので、税法上の儲けが減少します。常識的な範囲内で上手に節税して、儲けを20万円以下に抑えれば、所得税の確定申告は不要になるので、勤め先に知られるリスクもありません。

 家計の支出を経費化できれば、給料から支払っていた分が浮くので、貯蓄に回せます。このように「副業ごっこ」などの2つ目の稼ぎ口を活用した資産形成術のことを「稼ぎ口二刀流」といいます。

「稼ぎ口二刀流」で三方よしが実現する

「稼ぎ口二刀流」で潤うのは、家計だけではありません。もし、すべての社会人が「稼ぎ口二刀流」を始めれば、日本のGDPが2割ほど押し上げられます(簡便法での計算)。つまり、日本の経済が潤うわけです。

「金は天下の回りもの」ですので、日本の経済が潤えばお金がたくさん流れ始めます。お金が多く流れるほど、あなたのお財布に増えて戻ってきます。政府の税収も増えるので、あなたと政府と世間とで、三方よしが実現するのです。

 このカラクリは、過去の日本の歴史が証明してくれます。平成初期のバブル絶頂期に、日本の財政は黒字化し、国の借金が減りました。みんなが稼いで、みんなが使って、お金が天下を駆け巡って、税収が増えたことが根本原因です。

 もちろん、バブル経済には中身が伴わないので、健全ではありません。この点、「稼ぎ口二刀流」であれば中身が伴うので健全です。不健全なバブルを引き起こさずに日本経済を活性化できる唯一の方法が、「稼ぎ口二刀流」です。

*1 副業の平均収入はいくら?どんな仕事内容?稼げる職種はコレだ!

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。