韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、速読日本一の経歴をもつ『すごい読書術』の著者・角田和将氏にインタビュー。本を読まない=勉強が苦手というイメージがあるが、速読に取り組む人は、どのように本を読み、学びに励んでいるのか?『勉強が面白くなる瞬間』著者もまた、このままではいけない! と本屋に駆け込んだエピソードがあるが、学ぶ姿勢をどう身につけるかが、勉強にとても大事なことのようだ。

「速読」も「勉強」も他人との比較をやめることが上達のコツPhoto: Adobe Stock

過去の自分よりもよくなっていればいい

「速読」も「勉強」も他人との比較をやめることが上達のコツ角田和将(つのだ・かずまさ)
高校時代、国語の偏差値はどんなにがんばっても40台。本を読むことが嫌いだったが、借金を返済するため投資の勉強をはじめる。そこで500ページを超える課題図書を読まざるを得ない状況になり、速読をスタート。開始から8ヵ月目に日本速脳速読協会主催の速読甲子園で銀賞(準優勝)、翌月に開催された特別優秀賞決定戦で速読甲子園優勝者を下して優秀賞(1位)を獲得。日本一となり、その後独立。速読を通じて、本を最大限に活かし、時間の量と質を変えることの大切さを教えるため、国内外を飛び回っている。セミナー講演では医師、パイロット、エンジニアなどの専門職から経営者、会社員、主婦と、幅広い層の指導にあたり、95%以上の高い再現性を実現している。大企業から学習塾など、さまざまな分野での研修も実施しており、ビジネスへの活用、合格率アップなどにつながる速読の指導は好評を博している。教室に通う受講生の読書速度向上の平均は3倍以上で、「1日で16冊読めるようになった」「半月で30冊読めるようになった」「半年間で500冊読めるようになった」など、ワンランク上を目指す速読指導も行っている。著書に、『速読日本一が教える 1日10分速読トレーニング』(日本能率協会マネジメントセンター)、『1日が27時間になる! 速読ドリル』(総合法令出版)、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)がある。

――勉強に遅れているということは、すでに勉強できている人より情報収集力を速くしていく必要がありますね。

 そこに、やや疑問を感じました。『勉強が面白くなる瞬間』には、「誰かと競争するのではなく、過去の自分と競争する」とあります。

 たしかに、速読を身につければ、情報収集力はあがるし、記憶の定着や、実践する場も増えていきます。

 ただ、誰かを追い越す目的ではなく、前提として、「昨日の自分より、一個でも賢くなればいい」のです。

 韓国は受験戦争で、厳しい。まさに争い。そこに、「争いをしなくていいんだよ」というメッセージに癒やされた読者が多かった。

 上を見れば、キリがないですが、「過去の自分よりもよくなっていればいい」。このことは、私も速読教室でもよく話します。1冊を30分で読むことができないからといって、卑屈にならなくていい、と。

「1冊を読むのに、どんなに速くても2時間が限界」と思うのはよくない。他人の記録と比べるんじゃなく、前回の自分の記録よりも1秒速ければいい。

 人と比較してはだめ。そうすると、「自分にはできない……」と思ってしまう。勉強しなくなるし、本を読まなくなっちゃう悪循環に陥ります。

――「他人と比較するのをやめよう」。ここに共感した人は多いでしょうね。

 そうですね。過去の自分と競争することの大切さをうたっているのが『勉強が面白くなる瞬間』のよさ。日本では、偏差値、大学出身のマウントどりに意識が向いている人が多い。

 本当はテストの大会に参加したくないのに、皆やらされている。そして、順位が低くてやる気を失せていく。そういう人が多いんじゃないでしょうか。

 無理やり、他人との競争を強いられるから、面白くないと感じているわけです。

 昨日の自分より、1個成長できている――これが勉強です。受験戦争で疲れている人には、「過去の自分と競争する」というのがよかったでしょうね。

(取材・構成/編集部 武井康一郎)

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』をベースにした、インタビュー記事です)