関東主要105駅の相続税額トップ3
六本木、渋谷、品川は4000万円超

 関東の主要105駅のうち、2021年の路線価をベースに試算した相続税額で1位となったのは、東京メトロ日比谷線の六本木駅で6975万円だった。六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど超高級レジデンスがひしめく、リッチな大人の街はやはり強かった。

 1位に続く4000万円台となったのは2駅ある。JR山手線の渋谷駅(2位、4860万円)と品川駅(3位、4440万円)だ。渋谷駅は前年比60万円減と、今回試算した関東105駅の中で最も下落幅が大きかったが、それでもトップ3に入ってきた。

「住みたい街ランキング」の常連である、東急東横線の自由が丘駅(3540万円)とJR中央線の吉祥寺駅(2820万円)はそれぞれ4位と6位だった。全国的な知名度こそ低いが、東京大学の最寄り駅である東京メトロ丸ノ内線の本郷三丁目駅(3300万円)が5位にランクインした。

 相続税の課税額が1000万円を超えたのは、19位となったJR南武線の武蔵小杉駅と、つくばエクスプレスの北千住駅(いずれも1025万円)までだった。

 なお、本特集JR・私鉄「全国376路線」ランキングの#4『鉄道「沿線経済力」ランキング【首都圏28路線】5位は東京メトロ東西線、1位は?』では、首都圏のどの沿線の地価が今後値下がりしにくいかを探っている。

 具体的には、最新の住宅地価から算出した路線別「平均地価」に加え、足元の人流や30年後の人口動態のデータを駆使することで、主要路線の「沿線経済力」を割り出して序列化している。併せて確認してほしい。

*ランキングの対象は、高級住宅地や複数路線の乗り入れ、人気路線などから選んだ関東地方の主要105駅。相続税の課税額は、税理士法人弓家田・富山事務所の弓家田良彦代表社員監修。試算の条件は、自宅の敷地150平方メートル、築25年で延べ床面積90平方メートルの木造自宅一戸建て(固定資産税評価額200万円)、預貯金3000万円を相続したケース。被相続人は母親(2次相続。父親は既に死亡)で、相続人は子供1人。自宅は母親の1人住まいで子供は持ち家あり(小規模宅地等の減額特例は適用できない)。2021年路線価は各駅から最短距離の「第一種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」。変動額と相続税額は千円以下を四捨五入。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy’s Home