韓国の一方的発表で
首脳会談決定に遅れ

 日本政府が、今回の対話を「会談」ではなく「懇談」と位置付けたもう一つの理由は、韓国側が事前に調整していた対話を一方的に発表するフライングを行ったためである。

 韓国の主要メディアは、韓国大統領室の金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長の説明をもとに、国連総会を契機に、日韓が別途二国だけの首脳会談を行うことになったと報じた。ただ、時間は調整中であり、議題も決まっていないとしていた。

 これに対し、日本側は松野博一官房長官が15日の会見で「現時点で何ら決まっていない」と明言を避けた。日本としては元徴用工問題などを巡り、韓国はいまだ日本側が受け入れ可能な解決策を示していないことを問題としている。

 日本のメディアは、岸田首相が韓国側の一方的な発表に強い不快感を示し「それなら逆に会わない」と述べたと伝えられている。

 このように首脳会談開催を巡って、直前まで「見通しが立たない」状況が続いていた。

 しかし、韓国側の当初の発表に約30分とあったことなどを考えると、実際に対話を行おうとする流れはあったのだろう。ただ、韓国側が日本の同意を得ずに発表したことに問題があった。