記事を読んで感じたのは、逮捕そのものへの驚きと、下地准教授がそんなことするだろうかという被疑内容への疑問だった。

 筆者は11月に下地准教授を取材しており、そのときの印象では新聞報道にあるような軽率な行動を取るような人物には思えなかったからだ。

 11月の取材時は、最初の逮捕者が出た後で、下地准教授は「不当逮捕なんです」「大阪の警察の対応は異常で、何を理由に逮捕されてもおかしくない」と話していた。こうした認識があれば、当然それだけ注意して活動していたと思うのだ。それもあって被疑事実についてはにわかに信じられなかった。新聞報道でいうところの「無届けデモ」が行われてから2ヵ月も後になって逮捕したことも不自然だった。

 下地准教授の逮捕についてネット上では、すでに逮捕当日の段階で「不当逮捕」「表現の自由への侵害」との指摘が出始めていた。一方、「うるさいと迷惑」「自業自得」といった冷淡な意見もあり、議論になっていた。加えて、原子力を推進する「原子力マフィア」による弾圧といった陰謀論的な主張まで出始めていた。逮捕直後で十分に情報がないこともあって、かなり混乱した状況だったことがうかがえる。

押収目録には「不退去」なし

 下地准教授ら3人の逮捕は、大阪市の震災がれき広域処理の反対運動に関連する逮捕としては3件目だ。最初は2012年10月5日、関西電力本店前で原発再稼働に抗議するデモに参加していた男性(48歳)が大阪府警に公務執行妨害罪、傷害罪の容疑で逮捕された。このデモは原発の再稼働反対が中心だが、場所によって広域処理への反対を訴える人がいたりと、さまざまなのだという。この男性は再稼働反対だけでなく、広域処理への反対運動にも参加していたそうだ。

 2件目は同11月13日、大阪市が此花区で開催した広域処理の説明会に関連して起きた。広域処理に反対する人びとが説明会開催前に抗議行動をしていたところ、警察官らともみ合いになり、4人が建造物侵入や公務執行妨害の容疑で逮捕された。

 そして今回の下地准教授ら3人の逮捕である。計3件で逮捕者数は延べ8人(1人は11月13日に逮捕されており、12月に再逮捕)に上る。