「下地にカメラ回せっていわれたけど、怖くてできなかった。録音もしようとしたけど、警察から家宅捜索中は録音とか撮影はダメといわれてできませんでした。前日に洗濯をしていて、洗濯物を室内で干していたので、警官は洗濯物の下をくぐって家宅捜索してた。下着もぶらさがってて、(押収品の)写真を撮るときに『いやだったら取りなさい』と女性警官がいってくれたが、混乱していたこともあって洗濯物をどこにやっていいかわからず、そのままにしていました」(蕭さん)

 警察が「あとで説明する」といっていた逮捕理由は改めて説明されることはなかったと蕭さんは話す。結局、家宅捜索後の押収品の目録の押収理由の欄に容疑が記載されていたのを見て、初めて逮捕理由がわかったという。

 その書類を見せてもらったところ、〈被疑事件につき、目録の物件を押収したので、被疑者 ○○(資料ではほかの逮捕者の名前) 外2名に対する鉄道営業法違反、威力業務妨害〉などとごく簡潔に記述されていた。新聞報道にあった「不退去」容疑はどういうわけか記載がなかった。

逮捕の可能性を認識か

 下地准教授の威力業務妨害や不退去といった容疑について蕭さんは「10月17日は一緒にいなかったが、下地はそういったことは注意していたので絶対違う」と断言する。たまたま聞いていた当日の状況からも違うはずだという。

 蕭さんもしばしば広域処理反対や脱原発を求めるデモや抗議行動に参加し、下地准教授にいわれて活動のようすをビデオで撮影したりしていた。すでに逮捕者が出た後ということもあって、下地准教授が逮捕の可能性を意識して注意して活動していたことを直接見ていたことも、蕭さんが「絶対違う」と話す根拠となっている。そのため「本当はこの件で逮捕されたのではなくて、はめられたんじゃないか」と感じていた。

 家宅捜索のとき、蕭さんは女性警官から「ご主人が逮捕されて、奥さんひとりでかわいそう」と同情された。そこで蕭さんは「デモはダメ?」と聞いてみた。

 すると警官は「デモがダメとはいってない。でも方法に問題がある」と答えたという。

 蕭さんは警官に「関電前(のデモ)ですか、天満署の抗議(が理由)ですか」と尋ねたら「あれは問題ない」と返ってきた。だが、「絶対嘘だと思った」(蕭さん)。

 蕭さんには心当たりがあったからだ。それはたとえば、関電前のデモや(最初の逮捕者が容疑をかけられた)天満署への抗議行動のさい、警察側がずっと参加者の写真を撮っていることに「肖像権の侵害」と言って抗議し、その根拠を追求したとき、警察側は答えられず、恥をかかせた場面が何度もあったのだ。警察はそれを恨んでいるのではないかという。

 しかし、いかにもありそうな話ではあるが、証拠はない。

 蕭さんによれば、下地准教授は逮捕される可能性について認識していたという。

「最初の逮捕後から、『警察がやろうとしているのは弾圧かもしれない。抗議行動が標的じゃないか。だから慎重にならないと』と話していた。10月からいろんな人が逮捕されて、天満署の抗議行動でも100人くらいの警官がいた。だんだん抗議行動が厳しくなっていたが、『慎重にやれば大丈夫』といっていた。ただ『警察がやろうと思ったらやり放題なので、それは防げない。だから逮捕の可能性はゼロではない』と以前からいってました」

 次回も、下地准教授の逮捕から透けて見える、警察側の思惑を追求していく。