マネジャー、部長、役員などの立場にありながら転職をされる方が、昨今、非常に増えています。また、先行きな不透明な時代とはいいながらも、成長している会社は数多くあります。そこで、転職される役職者の方の多くは、そうした成長企業のさらなる発展のためにスカウトされているのです。

 また、業績や組織において課題を抱えている会社においても、管理職採用のニーズがあります。例えば、新規事業を始める必要があり、その分野の知見のある方をヘッドに据えたい。または、コストを適切にカットし、これからの自社にとって本当に必要な方が評価されるような仕組みに変えたい。そこで人事制度に詳しい経験豊富な方に来てもらいたいといったようなニーズがあるわけです。

 管理職として転職しますと、多くの自信のあるメンバーは、平静を装いながらも、内面では、「どのくらいできるものなのかな?」「うちの会社は特殊だから」などという思いを腹に抱え、お手並み拝見となることもしばしば。嫉妬というと男女の人間関係においてよく使われる言葉のような気もしますが、仕事における嫉妬も非常に恐ろしいものがあります。

 直接口に出して言ってくれたり、表情に出ていたりするのであればまだいいのですが、平静を装うどころか、いつも笑顔で接してくることもあります。そこで転職者の皆さんには、転職を失敗させないために以下のことをお願いしております。

「前の会社はこうだった」と言わない

 よくあるのが大企業からベンチャーに転職しますと、「前の会社はこの点がよかった。なんでうちの会社はこれがないのだろうか」ということを平気で、またはついつい口に出てしまうことです。

「郷に入れば郷に従え」。最初から厳しい指摘、批判をしても何も変わりません。もちろん具体的な課題に対して、お金もかけずにすぐに実行できるようなものであれば指摘をしても構いませんが、会社の規模によって違いがありますので、まずは様子を見ながら、慣れる必要があります。