米国株より相対的に強い日本株、周期解析が明かす「半導体需要」に期待できる理由Photo:PIXTA

米国に比べ相対的に
底堅い日本の株価

 米国での金融引き締めが続く中、米国の株価は弱めの動きを続けている一方で、日本の株価は上値が重くなっているが、相対的には底堅く推移している。たとえば、ダウ工業株30種平均株価は年初来安値の更新を続ける一方、日経平均株価は3月の安値を上回る水準で推移している。

 日本株が底堅い背景には、円安進行で企業収益が押し上げられていることに加え、米国や欧州などに比べ遅れていた経済社会活動の正常化の動きが表れ、景気指標が思いのほか堅調に推移していることがあげられる。

 法人企業統計で企業の経常利益をみると、昨年10-12月期以降、3期連続で前期比増となっており、コロナ禍前のピークを超えている。22年4-6月期の実質成長率は、前期比年率ベースで3.5%と、3%台の成長が確認されている。

 夏場の月次の経済指標の動きをみても、鉱工業生産は前月比で増加が続いており、6月以降の3カ月で13%増加している。また、鉱工業生産など景気と連動する代表的な10指標を合成した景気動向指数のCI一致指数も上昇基調にあり、ここにきては上昇ペースも速まっている。同指数の水準は、8月に19年4月以来の高水準を記録している。