NISAやiDeCoではない、資産所得倍増プランで本当に必要な2つのこと写真はイメージです Photo:PIXTA

岸田政権が肝いりの政策
資産所得倍増プランの推進に注力

 岸田政権の重要な政策方針の一つである「新しい資本主義の実現に向けたビジョンを示し、その具体化を進める」ために、「新しい資本主義実現会議」が今まで11回開催された。

 さらにその分科会として、「資産所得倍増分科会」の第1回会合が10月17日に開催された。資料などは公開されている※ので、ご覧いただければよいが、一般には今回の資産所得倍増プランにおいて、NISAの恒久化やiDeCoの拡充といった項目が話題になっている。

 特に個人投資家からはこれらの税優遇策の拡大が注目されており、税制改正をにらんで年末までにある程度の案をまとめるということが打ち出されている。また、それほど話題にはなっていないものの、消費者に対して中立的で信頼できる助言者制度の創設や金融教育についても議論されるようだ。

 これらの政策は決して悪いことではない。言うまでもなく、NISAやiDeCoを活用している人は増えており、その非課税制度が拡充されれば、さらに増えることにはなるだろう。

 NISAの口座数は、今年3月末時点で約1700万口座、iDeCoは8月末で260万口座だから合計すると2000万口座近くとなり日本の人口の16%が利用していることになる。ただ、買付額で見るとNISAの場合、過去8年間で27兆円ほどなので、個人金融資産のわずか1.3%でしかないし、つみたてNISAに至っては1兆8000億円程度なので0.09%にすぎない。