「なるほど。要するに、よくある嫁姑問題ですね。簡単ですよ。えっとですね……」
相手は「ただ悩みを聞いてもらいたい」「他愛のない話を共有したい」と思って話している。それなのに、相手の話を要約してしまうと「この人、ぜんぜん共感してくれていないな」「単に自分の頭のよさをアピールしたいだけなのでは?」と思われて、相手をぐったりさせてしまう。
一方、話し方で得する人は、相手の話をまとめることなく、ぜんぶ聞いて共感を示す。まずは「そうなんだ」「そうですよね」「大変でしたね」といった共感の言葉を増やすことから始めよう。
話を「まとめる」のではなく、逆に「広げる」「続ける」のも「得」な話し方だ。先の例では「困っちゃいますよね。姑さん相手だと、つい遠慮しちゃうし……」と、相手が話を続けやすいように返してみよう。相手は「聞いてくれている」と安心するとともに、あなたをますます信頼してくれるだろう。
◇考え方が柔軟で人に押しつけない
思い込みが強く、人に押しつけるのは「損」だ。
たとえば、Aさんの風邪が長引いているとき。
Aさん「ゴホゴホ……」
Bさん「え、風邪?」
Aさん「いや、咳だけがなかなか治らなくて……」
Bさん「それ肺炎だよ。早く病院行きなよ」
Aさん「いや、ちょっと咳が残るだけなんだけど」
Bさん「絶対肺炎だって。診てもらいなって」
Aさんがやんわり否定しているにもかかわらず、Bさんは「絶対に肺炎だ」と譲らない。このように、ほんの少しの情報から勝手に全体を推理して断定してしまう人は「損」だ。「違うって言ってるのに。めんどくさい人だなあ」と思われてしまうだろう。
得する人は、自分の考えや意見を押しつけない。常に柔軟な姿勢で、あらゆる考えを受け入れるようにしたいものだ。