ライトだけれど
「本格的にスポーツを楽しめる」喜び

 操作は簡単だが、爽快で、またスポーツをやっているような楽しさがある。中学で3年間、わりと真面目にテニスの部活にいそしんでいた筆者の感想である。
 
 現在、選べる種目は6種(バレーボール、バドミントン、ボウリング、サッカー、チャンバラ、テニス。今月末にゴルフがアップデートで追加される予定)だが、どれもジョイコン(コントローラー)を軽く振るだけの単純な操作で、スポーツを本格的に楽しんでいるかのような気持ちになれる。
 
 テニスを例に取ると、プレーヤーがやるべきことは「ボールが来たときにジョイコンを振る」、主にこれだけである。プレーヤーを十字キーで動かしたり、何かボタンを押す必要はない。本当に、ただコントローラーを振ればいいだけである。それだけでボールが「パコーン」といい音をさせて相手のコートに返っていく。これがまず気持ちいい。そしてジョイコンを振るタイミングを速くするか遅くするかすると、ボールを打ち返すコースを調整することができて、狙ったコースにビシッと決まったときも極上に気持ちがいい。テニスに関して筆者が把握している可能なプレーは以上だが、どうやらジョイコンの振り方次第でボールに回転などもかけられるようである。
 
 こうした「本格的に楽しんでいる感」が、どの種目にもある(チャンバラだけ例外だが、これにはこれの面白さがある)。サッカーなら、レッグバンドを装着することで足を動かしてプレーすることも可能であり、こちらの操作感も非常に楽しかった。なお、筆者が一番気に入っているのはバレーボールである。
 
 一時期品薄が続いたNintendo Switchのヒット作『リングフィット アドベンチャー』と、本作『スイッチスポーツ』の比較についても記しておきたい。

 ともに「エクササイズ」や「体を動かす」ことがテーマになっているゲームだが、趣旨は完全に異なる。『リングフィット』の方はフィットネスが主眼であり、自分をバキバキに鍛えている実感が持てる。一方『スイッチスポーツ』は、真面目にプレーすれば息が上がる程度の負荷を感じることができ、あくまで「スポーツっぽさを楽しめるゲーム」で、『リングフィット』とはすみ分けられていた印象であった。