パート先の健康保険が、付加給付のある組合健保なら、万一、病気やケガで仕事を休んでも、お金の心配をしないで療養に専念できる。医療費の自己負担額も低く抑えられるので、民間の医療保険や所得補償保険などに加入する必要はなく、その分、民間保険の保険料も抑えられる。
さらに広がる社会保険の適用範囲、加入が嫌だと
労働時間を短くしてもメリットは少ない
現在、短時間労働者へ健康保険の適用は、従業員数101人以上の事業所が対象となっているが、2024年10月からは従業員数51人以上の事業所に拡大される。社会保険の適用範囲はどんどん広がっていくなかで、保険料を負担するのが嫌だからと働き方を調整しようとすると、年収が増えないばかりか、働く場所を探すのにも苦労することになるだろう。
だが、健康保険からもらえる給付に着目すれば、社会保険の適用拡大は、万一の保障を増やせるチャンスだということができる。
今回見てきたように、保険料を自ら負担して健康保険に加入している人には、病気やケガで仕事を休んでも所得補償が行われるほか、勤務先によってはさらに充実した付加給付を受けられるケースもある。
今後は、年収の壁を超えないように労働時間を調整するよりも、できるだけ充実した給付をもらえる勤務先を選ぶことが、賢いパート主婦の働き方になるのではないだろうか。