韓国で50万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回、紹介するのは、勉強をしたくてもできなかった4人のある物語。朗読会のテーマともなっている「私は勉強することができなかった:ケース3.イ・ウグンの話」をお届けします。

【朗読会】僕は勉強することができませんでしたPhoto: Adobe Stock

僕は戦争なんかより、勉強がしたい

 1950年8月11日、午前3時50分。朝鮮人民軍が戦闘開始を待っています。ここは戦場です。緊張で一睡もできず、うとうとしかけた瞬間、信号弾が流れ星のように青い尻尾を引きずると、「パーン!」と音を出して破裂しました。近くに敵が潜伏しているという合図です。あたりは真っ暗な闇に包まれています。

 冷や汗が背筋を伝って流れ落ちました。わずか100メートル先から、朝鮮人民軍の隊列が素早く前進してくる足音が聞こえてきます。考えている暇はありません。少しでもためらえば、敵の銃剣が僕らの首を狙うでしょう。誰かが敵に向かって手榴弾を投げました。爆発音に続き、背筋が凍るような静寂が流れました。その静粛を破ったのは、死にきれなかった人民軍の負傷兵の絶叫でした。まるで獣の吠え声のような、すさまじい悲鳴です。

「お母さん!」

 その声を聞いた瞬間、僕は心臓を刃物で突き刺されたようにギクリとしました。北朝鮮の兵士も、僕と同じ言葉を話す、同じ民族です。胸苦しくなり、1日も早く戦争が終わってほしいと思いました。学校に戻りたくてたまらなくなりました。僕は戦争なんかより、勉強がしたいのです。

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』の一部抜粋したものです)