どういう状況なのかよく分からないまま、まずは挟まった状況から脱出し、ヘルメットを脱ぎ対象者の車を見ると、車内の人影はありませんでした。先程の足音が対象者であったかどうかは分からず、車を換えて移動したのかどうかも目視できておらず、ただただ対象者がいなくなっただけでした。
もしかしたら対象者が隠れていたり、襲ってきたりなど、どういった行動を取るかが分からず漠然と恐怖だけを感じました。
数分たっても状況を確認しにいくこと自体が危険だと感じ、対象者の車の前を通らず脱出する方法を探していると、車班が到着しました。パートナー2人に周囲の状況を確認してもらい、対象者らしき人物は見当たらず、まずはバイクを安全な場所に移動させ、対象者の車が安全に見える場所にて監視体制を敷きました。
1時間ほどして対象者とほかの男性と、女性1人が車に戻ってきました。車は発車し15分ほど走ったマンションの駐車場に入り、703号室に入ったことをマンションの外から確認することができました。
夜の街の甘い罠
不当にお金を要求された場合は?
私は無事に調査が終わったことに安堵し、内田弁護士に報告しました。その後は、内田弁護士がいろいろ割り出しました。対象者は一従業員と名乗っていたが、実は店長であったこと。マンションは対象者名義で借りられており、マンションに一緒に入った協力者の男性は従業員で、女性は禁止行為強要を訴えた女性従業員だったとのこと。
内田弁護士が店長と話した結果、女性従業員が禁止行為は同意の上であったと認めたので訴えないことで同意したそうです。実際にはお金を巻き上げようとした相手が弁護士を立ててきたので、慌てて取り繕ったのだろうとのことでした。
内田弁護士のもとには、日々このような相談が舞い込んでくるそうです。不当にお金を要求されて払ってしまわないように、まずは弁護士に相談してみてください。付け加えるならサービス外のことは要求しないようにしましょう。
「夜の街の甘い罠」を「法で解決する弁護士と探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。ご了承ください。
(2023年3月30日10:11 ダイヤモンド編集部)