これまでは、統計を読むことを考えてきた。今回は、少し進んで、文章を読むことにチャレンジしてみよう。当面の目的は、新聞記事や統計の解説を読むことだ。

高校の漢文でわれわれは
中国語を読んでいた

「何の予備知識もなしに中国の新聞を読む」というと、無謀と思われるかもしれない。

 しかし、そんなことはない。実際、われわれは、高校で「漢文」の授業を受けた。現在でも、漢文は高校の教育科目の中に入っている。そこでは、ごく当たり前に、「何の予備知識もなしに」、中国語を読んでいたのだ。その経験を思い出してみよう。

 漢文の時間に読んだ中国語と中国の新聞にある中国語と、何が違うのだろうか?

 第1に、漢文の時間の中国語には、簡字体は現れなかった。

 第2は、漢文の時間には、「訓点」というものを使っていた。思い出していただきたいのだが、訓点とは、句読点、返り点、送り仮名の総称だ。場合によっては振り仮名も付いていた。

 白文で読むのは難しいが、以上の2つがあれば読める。それらの助けで、誰もがほとんど苦労なしに中国語を読んでいたのである。

 したがって、「簡略字に振り仮名が付いていて、訓点があれば、中国の新聞も(ほとんど)読めてしまうだろう」と推察されることになる。

 実際にはそれほど簡単ではないのだが、おおよその攻略・戦略としては間違っていないはずだ。そこで、以下では、この方向に沿って進むこととしよう。