ネットの力によって地元の商売がサポートされている例は、今やアメリカではたくさん見られるようになっている。

 地元のスパやネイルサービスなどを格安で利用できるクーポンサイトは、もちろんそのひとつだし、希望の時間に予約が入れられるオープンテーブルも地元のレストランを支援しているといえる。それ以外にも地元の車の修理屋を探せるサイト、必要な時に猫の手を探すサービスなども人気だ。最近は、微に入り細にわたりといった感じで、この手のサイトが増えている。

 そうした中で、IPOも間近だとされる人気サービスがgrubHub(グラブハブ)だ。

ピザから寿司まで何でもOK
アメリカ人の36%がネットで出前を注文

 グラブハブは、インターネットで出前が注文できるサイトである。

 注文の要領は次のようになっている。サイトに行って、まず自分の居場所を入力する。自宅やオフィス、学生寮などの住所だ。その次に入力するのは、食べたいものだ。ツナサンド、ハンバーガー、寿司、ピザなど特定の料理名でもいいし、和食、イタリアンなどの分類でもOKだ。

 そうすると出てくるのが、そこへ出前をしてくれるレストランのリストである。メニューが載っているので、それを比べておいしそうなところから頼む。レストランによっては、出前のための最低金額を設けているところもあるので、それを比べる必要もあるだろうし、また近いところに注文して、できるだけ早く来てもらうという手もあるだろう。ユーザーの評価もあるので、それも参考になる。

 そうして支払いをクレジットカードやペイパルで済ませれば、あとは出前を待つだけだ。

 グラブハブのサービスは、地元のレストランを束ねて同じフォーマットでメニューが表示されるようにし、人々が注文をしやすくしたことである。全米レストラン協会の2012年のレポートによると、今やアメリカ人の36%が出前の注文をオンラインで行うようになり、46%がもしそうできるならば、注文にはスマートフォンを使いたいと考えているという。人々は、できるだけお手軽に出前を注文したいと思っているのだ。