②婦人靴売場の強化

 伊勢丹新宿本店の婦人靴売場はもともと日本一の売場で、そのブランド数、アイテム数、売上ともにダントツでした。その売場を1階から2階にするということは売上が落ちる可能性があります。しかし今回は靴があった売場にハンドバッグを持ってきて、靴売場は2階に拡大移設しました。伊勢丹限定18ブランドと新規展開40ブランドを含む約150ブランドでの展開です。

 実は同店の婦人靴売場の最大の課題は、お客さんの接客環境・サービス面にありました。

 いつもお客さんが売場に溢れていて、十分な接客スペース(フィッティング用の椅子など)がなく、またストックスペースまでの距離があったためお客さんの待ち時間も長いという課題があったのです。

1階から2階へ移動し、売場面積を拡大した靴売り場

 今回のリモデルでは、売場面積を拡大し、フィッティングスペースを広くとり、椅子も以前は約90席だったのを約200席にしています。ストックも売場のすぐ横に設置し、スタッフが在庫をとりに行く時間を大幅に短縮しました。「お待たせしない環境の実現」(同社広報)に力を入れたのです。これはおそらくかなりの売上のアップに貢献するはずです。

 靴売場の新分類にも注目です。靴をテイスト別に9つのゾーンに区分しています。永遠・甘美・官能・上質・リアル・定番・ニュース・愉しむ・美と健康の9ゾーンです。このような分類も伊勢丹ならではです。また、これまで多く展開できていなかった「愉しむゾーン」のオフタイム用の靴や履きやすくて安心の靴のアイテム数を強化したのも特徴です。

 同時に、「美と健康ゾーン」では足と靴に関する専門知識を持った30人以上のシューカウンセラーを配置し、今まで以上に細やかにお客さんの靴選びの手伝いや足の悩みに対応するという接客面も強化しています。

 こうした取り組みにより、婦人靴は前年を大きく上回る実績をあげています。またシューカウンセラーの予約もリモデル前より増えておりお客さんからの評判もいいようです。一番売場を徹底的に強化したことがさらなるリピーターの獲得につながっている事例です。