バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。
「相談」です。建物に入るときに、どこで靴やサンダルを脱ぐのか? タイ人はどうやって判断、決めているのでしょうか? 日本の場合は玄関で段差があり境目がはっきりしています。でもタイで迷ってしまうのはどこで脱いだら良いかです。たとえばマッサージ店などで見かけるのがサンダルが入り口の扉の前で脱いであるけど、さらに一段上がった建物に中にも脱いであって店の奥にも脱いであることが多くてどこで脱いだらいいのか? タイ人の家に行ったときも似たような状況があり困惑することがあります。1番最初で脱いでおけば問題ないのでしょうけど、タイ人はどう考えているのでしょうか? よろしくお願いします。
(相談とは別に)「危険な目にあった」体験談です。しばらく前のことです。21時頃、BTSプロポン駅からアソーク方面へひとりで歩いていました。途中お店もなく、暗い場所があってそこに一人のオカマが立っていました。足早に通り過ぎようと思ったけど抱きついて来て、後ポケットに手を入れられました。幸い何も入れてなかったので被害にあいませんでした。オカマが二人だと力ではかなわないので、それ以降、暗がりは歩かないように、モーターサイタクシーかタクシーを使うようにしています。(ナッチャン)
【ブンからの回答】
家の入り口の外で履物を脱ぐ
暗闇で突然、オカマに抱きつかれてよく無事でしたね。暗がりは歩かないとの判断、賢明だと思います。読者の皆さん、暗がりにオカマが立っていたら後ポケットの財布やケータイはバッグに忍ばせて踵を返しましょう。
さて、ご相談の悩みごとです。タイも日本も家の中では履物を脱ぐ習慣がありますが、日本と違ってタイでは家の入り口の外で履物を脱ぐのが原則です。
タイではその昔、みんな裸足で生活していました。住居は高床式で、階段の脇にある水瓶から水をすくって足を洗い、階段を上って家の中に入ったものです。今でも田舎に行くとそういう生活をしている人々がいます。外で履物を脱ぐのはその名残りだと思います。
では現代の都市生活にどう対応させるか。
(1)一軒家の門を入ったら、まず家主の脱いだ履物がどこにあるか探し、そこで履物を脱ぎます。
(2)玄関の前がコンクリートやタイルできれいに掃除されていたら、そこは土足で上がらないこと。
(3)それでもわからなければとにかく手入れされた足の踏み場の手前で脱ぐこと。
(4)どこで脱いだらいいか家主に聞く。「こっちで脱ぎなさい」と声をかけてくれます。礼儀作法を心得ている人と思われます。
(5)クリニックやスパなど清潔さを売り物にしているところにはスリッパがあるでしょうから、そこで脱ぐこと。スリッパがないなら入り口の外で脱ぐこと。こんなところです。
気を付けたいのは僧がいる堂や部屋。中は土足厳禁です。必ず外で脱いでくださいね。

(文・撮影/『DACO』編集部)