GameFi業界のバリューチェーンの下流にいるのは、ゲームがより多くのユーザーにリーチできるように、ゲーム開発者にサービスを提供しているプレーヤーだ。ここでのプレーヤーは主に「ギルド(Guild)」、「ローンチパッド(Launchpad)」、「アグリゲーター(Aggregator)」の3つに分類される。

ギルドは、前述したスカラーシップを運営している組織のこと。この領域ではYGGのほか、Merit Circle(メリットサークル)、Good Game Guilds(グッドゲームギルド)などがトップティアのプレーヤーとなる。

ローンチパッドとは、ブロックチェーンゲームが初めてゲームトークンを一般投資家向けに売り出す際に、売り出し前のマーケティング施策や、流動性を提供するマーケットメーカーへの紹介、売り出すプロセスの実行・管理といったサービスを提供する業者のことだ。この売り出しのプロセスは「ICO」にちなんで「IGO(イニシャル・ゲーム・オファリング」と呼ぶことが多い。プレーヤーとしてはEnjinstarter(エンジンスターター)、Gamestarter(ゲームスターター)、Seedify(シーディファイ)などの知名度が高い。

最後のアグリゲーターとは、いわゆるWeb3版の「Steam」のようなもの。たくさんのゲームにアクセスしたり発見したりできるプラットフォームだ。ユーザーはアグリゲーターを通じてさまざまなゲームを遊べるだけではなく、それぞれのゲーム内に自分が保有しているゲームアセットや、各ゲームにおける自分の収益などもダッシュボードで確認できる。ゲームアセットの取引までできるプラットフォームもある。GameFi Aggregator、Ethlas、OP Gamesなどがよく使われている。

日本がブロックチェーンゲーム大国になる可能性

日本のスマホゲームへの1人当たりの支出額は2013年からずっと世界1位で、スマホゲームのユーザー人口は5270万人に上る。Play to Earnゲームはこの巨大な潜在ユーザー層に対し、今まで通りにゲームを遊んだりゲームに課金したりするだけで収入が得られる、という明確な提供価値を持っている。

一方で、よく指摘される通り、既存のブロックチェーンゲームはデザインもテイストも海外寄りのものになっており、日本人にとって魅力的ではないものが多い。しかし、既に大手ゲーム会社のスクウェア・エニックスやバンダイナムコ、サイバーエージェント、アカツキ、gumiといった企業がブロックチェーンゲームへの進出に興味を示している。日本発のブロックチェーンゲームとしては世界1位だったMy Crypto Heroesという成功事例もあるので、近い将来に日本がブロックチェーンゲーム大国になる可能性は大いにある。