電気製品は種類も多く、複雑になってきていて、ほとんどの消費者には意味不明なものとなっている。そんなものを日本の家電量販店に売ってもらって、電機メーカーは儲かると思っているのだろうか。

消費者との連鎖の鎖が切れている

 日本の家電量販店の話、フナックとアップルストアの事例が示唆していることは、日本の電機メーカーは最終消費者との関係が切れているということである。サプライチェーンが下流で切れているのである。

 フナックの事例が示すように、バイヤーサイドの第3者評価機関が、電気製品について正確で必要な情報を一般消費者に提供するということは、脱コモディティ化につながる。その評価機関が透明性を保ち、消費者との信頼関係を確立できるかが要点となる。

小売にもう一度進出せよ

 日立製作所を筆頭に、日本の電機メーカーはB2Bビジネスに特化してきている。B2Bビジネスは直販だから、顧客情報は掴みやすい。日本のものづくりと技術力を生かす現状維持の方法としては、これしかないだろう。しかしながら、何か大化けするかもしれないオプションを失うことになるかもしれない。

 B2Bビジネスに強いデルがなぜMBOを仕掛けて、事業プロセスを変えようとしているのか考えていただきたい。技術環境とサービスに関する事業プロセスの変化が要因と思われるが、このことが意味することは、本シリーズの後半で議論するので、お待ちいただきたい。

 日本の電機メーカーが個人消費者に対して最終製品を製造していくためには、小売店舗を持つことを前提に戦略を再構築する必要がある。特に、新規の商品、わかりにくい商品についてはそうである。そのためには、本シリーズの第1回で解説したように、小売店舗を持つということで、事業プロセスのレベルから戦略を組み立てていかなければならない。