例えばデジタルマーケティングでは、2010年より前は、「検索」という買い手のアクションに適応するため、SEOやリスティングといった検索上位に表示させるウェブマーケティング施策が流行しました。

しかし、2010年代になると、ライバルよりも早くお客様と接点を築き、購買動機が発生したタイミングで有利に商談できることを目指し、「コンテンツマーケティング」の取り組みが盛んになりました。さらにテレワークが増えた今、出勤しないお客様のリード情報を獲得するために、企業はコンテンツマーケティングをより強化しています。

一方で、世の中にはあまりに多くのありきたりなジャンク情報が増えたことから、オリジナリティや専門性のないコンテンツは差別化が図れずに苦戦している状況にあります。

SNSで変わる人脈営業、「ソーシャルセリング」

3つ目は、最近注目されている「ソーシャル(人と人の繋がり)を生かした営業スタイル」です。SNSやコミュニティ、人脈ネットワーク、関係性など、人間関係や繋がりをきっかけに商談機会の獲得を目指します。ソーシャルセリングは対象が「繋がり」ということであり、接触の仕方はアウトバウンドでプッシュ営業をすることもあれば、相手からインバウンドで相談されることもあります。

さて、こうしたいわゆる「人脈営業」ですが、これ自体は決して新しいものではありません。ただし、SNSやオンラインサロンといった現代ならではのコミュニティの属し方が、ソーシャルセリングのあり方を変化させています。

SNSの普及により、直接会ったことのない人とも簡単に繋がれますし、コミュニケーションの取り方がよりカジュアルになったのです。

ただし、人脈をお金に換えようとする下品ともとれる一方的なコミュニケーションは、営業成果を上げるどころか評判を悪くします。人脈を生かした営業においては、顧客ニーズや接触理由を明確化する意識を持ちましょう。キャンペーンのばら撒き営業や無作為にアタックするのは絶対にやめましょう。

ターゲットを絞って成果を最大化する「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」

最後に解説するのは、ABMです。ABMとは簡単に言えば、「狙いを定めた企業に絞って関係を築き、その企業から取引額や発注数を最大化させるための営業活動」のことを指します。

アウトバウンドの新規営業は、比較的広いターゲットに根気よくアタックしていくため、ターゲット属性ごとの接触率やアポイント獲得率といった、商談を獲得するためのコストや効率を気にします。一方でABMはターゲットが限定されているため、接触率や行動量よりも、結果として商談の機会が築けているかどうかが重要視されます。